とてもいい映画だと思う。長崎俊一監督は感傷的なメルヘンにすることもなく、とてもリアルなものとして、このお話を見せようとする。ファンタジー的要素は多分にある。そこに甘えて口当たりのいい映画にまとめてしまう方が、観客のニーズに応えることになる、ということは重々わかっている。しかし、この映画にはそんな妥協は一切ない。
13歳の少女の過酷な現実とむきあい、逃げてきたこの場所(田舎のお婆ちゃんのところ . . . 本文を読む
山田太一のドラマを見ているような始まり方だ。だが、事件があまりにてんこ盛りになりすぎて芝居自体がそれらをきちんと消化できないまま先に先にと進んでいく。これでは家庭内に起こる事件のショーケースである。しかも、連続していくことにより収拾がつかなくなっていくという事態を見せていくにしてはタッチがシリアスすぎる。
現実の家庭では、ここまでモデル化したことがすべて起きていくわけがないし、もしそんなこと . . . 本文を読む
かって好きだった幼なじみの少年。お互いにあんなに愛し合っていたのに、別れてしまった。初恋の淡い思い出が、大人になった今、もう一度帰って来る。誰かが彼に送った手紙を歌にして歌っている。だから、彼女は探し始める。
よしもとばななの新作は、またハワイが舞台だ。彼女は今自分が興味を持っていることをそのまま小説にする。昔からいつもそうだ。まぁ、誰もがそんなふうにして書いているのだろうが、それにしても彼 . . . 本文を読む