このなんでもない映画に見える作品が、実はかなりおもしろいという事実に気付くのは、見た人だけであろう。そんな当たり前のことをさも偉そうに書くなんてバカみたいなのだが、でも見るまで、まるで何にも期待していなかったのだから、その驚きは大きい。
田舎でくすぶるウエイトレスをしている女が主人公。彼女はパイを焼くのが大好き。自分のオリジナルパイをたくさん作っている。コンテストに出て、入賞して自分のお店を . . . 本文を読む
このとても地味な、そして歪な映画は、面白い映画だなんて、そんな一言で言えるしろものではない。だが、ただの変な映画、の一言で切り捨ててしまってもいいくらいに、さりげない。見終えた後、何だったのだ、と思って、しばらく忘れていたくらいだ。
だけどなんとなく気になって調べて見たらあの『イカとクジラ』のノア・バームバック監督の新作だった。あの人ならさもありなんと納得した。ニコール・キッドマン、ジェニフ . . . 本文を読む
この児童書を(と、いっても350ページもある)読みながら、小学6年生というとても微妙な時間のことをいろいろ考えさせらた。
先日、高校の授業で重松清の『小学5年生』という短編集から『タオル』という作品をやったのだが、高校2年生にとって5年前にあたる小5という時間はなか感慨深いもののようだった。遠い過去とは言えないが、最近の出来事だなんて思えない。もう生々しくはない。だが、あの頃の痛みはまだリア . . . 本文を読む