とても楽しい時間を作ろうと努力している。作り手の誠実さが伝わってくる作品だ。だから、僕はこの芝居に対してどうこう言う言葉をもたない。面白いとか、つまらないとか言う話ではないと思う。確かにたわいないし、作品に奥行きがあるわけではない。別役作品とは思えないくらいの単純さだ。でも、それがこの芝居にはちょうど良い。
シルクロードを旅するツアーの一行と、なぜかそこにやってくるまるでやる気のない三蔵法師 . . . 本文を読む
8篇からなる短編集である。だが、最初は連作か、と思った。どこを切り取っても、どこかで見た佐伯一麦の小説と同じで、どこかで読んだ話をまたしてる、という印象だ。しかも、相変わらずのメリハリのなさで、淡々とどこを切り取ってもいいような日常が綴られるばかりだ。では、つまらないのか、というと、そうではない。とても面白いのだ。
夫婦の暮らし。季節の流れ。日々のスケッチが、ただ漫然と描かれるように見える。 . . . 本文を読む
生まれて初めてうちの娘から本を借りて読んだよ。これは歴史的快挙。だいたいあの子が本を読むなんて、それだけで凄いことだ。ファッション雑誌とかにしか興味がないし、20数年の今までの人生で、一度だって真面目に小説なんか読んだことがないのではないか。でも、最近は会社の社長から言われて経営のむずかしい本とか読まされているようだ。今回のこの本もその一環で買ったそうだが、本人曰く、「これなら、私にもわかるし、 . . . 本文を読む