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映画・演劇のレビュー

パンと魚の奇跡『ふくろのけむり』

2010-06-08 23:08:23 | 演劇
 物事の本質を捉えようとする。とても真剣に。その姿が僕たちの心の奥深くに沁みいる。作、演出は保木本佳子さん。彼女のストレートな姿勢は時に息苦しくもある。真面目すぎて痛い。だけれども、その真摯さが、普段は見向きもしない目の前のひとつひとつのことに僕たちを対峙させる。そのことで、確かに見えてくるものがそこにはある。『生まれてくること。生きていること。死んでいくこと。』確かにあまりにストレートすぎて戸惑 . . . 本文を読む
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猫壺企画『真珠は沈んでいる。』

2010-06-08 23:06:32 | 演劇
 とてもオーソドックスで、芝居らしい芝居だと思う。ただし、作品世界はあまりに狭く閉ざされてしまっていて、ドラマに広がりがない。オチとなる部分が明確になったところからその先がほんとうは見たかった。  なのに、友人の女の子との関係や、彼女のことを待っていてくれる恋人、彼らとの現在進行形のドラマが、作品全体の彩りにしかならないのはもったいない。主人公である漫画家と母親との関係を描くドラマがメーンである . . . 本文を読む
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劇団大阪『遠くの戦争 ~日本のお母さんへ~』

2010-06-08 23:04:58 | 演劇
 リーディングスタイルを取ることで、このリアルな現実がより生々しく伝わることになった。素材と表現方法が見事に一致して伝えたかったことがストレートに届く。報道されることのない現実を事実の中から伝える。これは芝居というメディアで可能な事への挑戦だ。  パレスチナ難民のことを僕たちは知らない。60年にわたる苦難の歴史は今もまだ現在進行形で続く。戦争は終わることなく続くのである。そんな中でたくさんの人た . . . 本文を読む
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クロムモリブデン『恋する剥製』

2010-06-08 23:02:25 | 演劇
 この芝居には全く意味がない。さすが青木さんだ。やるときは徹底的に、である。本当に気持ちがいいくらいに、全くもって何の意味もない。何かをここから考えようとすることすら拒否するくらいの潔さだ。だいたい恋である。そんなものにご大層な意味はいらない。電撃的にドキューンと恋してもらいたい。好きになったらなんでもありだ。頑張れ!  ところで、これってそんな話だったっけ。最初は占いの話だった、はずだ。いいか . . . 本文を読む
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劇団きづがわ『通りゃんせ 昭和の残照』

2010-06-08 22:58:29 | その他
2話からなる連作。「昭和を生きた庶民の哀歓を綴る」というが共通テーマで、2000年秋から冬を舞台とする。平成となりさらには20世紀も終わっていくという時間の中で、昭和は確かに終わったのだと実感する。年老いた2人の男女をそれぞれ主人公にして、市井のどこにでもいる庶民の姿を通して彼らが生きた時代って何だったのだろうかを検証していく。もちろんそんな大袈裟なことではない。2つのシチュエーションをさらりと . . . 本文を読む
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