生まれて初めてうちの娘から本を借りて読んだよ。これは歴史的快挙。だいたいあの子が本を読むなんて、それだけで凄いことだ。ファッション雑誌とかにしか興味がないし、20数年の今までの人生で、一度だって真面目に小説なんか読んだことがないのではないか。でも、最近は会社の社長から言われて経営のむずかしい本とか読まされているようだ。今回のこの本もその一環で買ったそうだが、本人曰く、「これなら、私にもわかるし、とてもためになった!」 というわけで、僕も読み始めたのだが、確かにこれはかなりおもしろい。
小説としては稚拙で、ただの企画物の域を出ないのだが、圧倒的に発想がおもしろいから、引き込まれる。ドラッガーの『マネジメント』なんていうお堅い経済書を読む気にはならないが、そこに書かれてあることが簡潔にまとめられてあり、よくわかって(わかった気になって?)楽しい。弱小野球部が、新人マネージャーの女の子によって甲子園を本気で目指すことになるというどこにでもあるようなありきたりな話なのだが、経済のお勉強という側面からのアプローチが新鮮だ。
とは言え、最後まで読むとだんだん息切れしてくる。要するにマニュアル通りに組み立ててもおもしろい小説にはならないということなのだ。この小説には『マネジメント』という本自体の驚きはあるが、それを生かした女子高生みなみの行動の意外性は何もない。だから、やがて彼女がただのスポークスマンみたいに見えてくる。
ここには小説ならではの感動はない。特に終盤で夏の大会の予選で快進撃を続けていくところからは、当然のようにまるでつまらなくなっていく。本来ならここから感動のドラマが展開していくはずなのに、である。しかたなく親友の死というドラマチックな展開で涙を誘うのだが、これがまた拙すぎて反対にしらけてしまう。
ありえないようなことが、思いもしない発想から起きて、そこを突き詰めることで、凄い奇跡が生じる。経済書を読むことで、そこから発想したことを野球に置き換えることで生まれる奇跡の数々は単純にドラマとしては面白い。だがそれだけだ。こんなにも簡単に強いチームが作れるのならば誰も苦労しない。理屈通りにはいかないのが、人生である。
小説としては稚拙で、ただの企画物の域を出ないのだが、圧倒的に発想がおもしろいから、引き込まれる。ドラッガーの『マネジメント』なんていうお堅い経済書を読む気にはならないが、そこに書かれてあることが簡潔にまとめられてあり、よくわかって(わかった気になって?)楽しい。弱小野球部が、新人マネージャーの女の子によって甲子園を本気で目指すことになるというどこにでもあるようなありきたりな話なのだが、経済のお勉強という側面からのアプローチが新鮮だ。
とは言え、最後まで読むとだんだん息切れしてくる。要するにマニュアル通りに組み立ててもおもしろい小説にはならないということなのだ。この小説には『マネジメント』という本自体の驚きはあるが、それを生かした女子高生みなみの行動の意外性は何もない。だから、やがて彼女がただのスポークスマンみたいに見えてくる。
ここには小説ならではの感動はない。特に終盤で夏の大会の予選で快進撃を続けていくところからは、当然のようにまるでつまらなくなっていく。本来ならここから感動のドラマが展開していくはずなのに、である。しかたなく親友の死というドラマチックな展開で涙を誘うのだが、これがまた拙すぎて反対にしらけてしまう。
ありえないようなことが、思いもしない発想から起きて、そこを突き詰めることで、凄い奇跡が生じる。経済書を読むことで、そこから発想したことを野球に置き換えることで生まれる奇跡の数々は単純にドラマとしては面白い。だがそれだけだ。こんなにも簡単に強いチームが作れるのならば誰も苦労しない。理屈通りにはいかないのが、人生である。