矢口史靖監督最新作。なんと初の原作もので、あの三浦しをんの傑作『神去なぁなぁ日常』の映画化。いつものようにコミカルなタッチで、「林業」を描く。だが、ただのコメディーではない。都会暮らしの高校を卒業したばかりの若者が、たまたま手に取ったチラシを(そこにかわいい女の子の写真が写りこんでいた)通して、和歌山の田舎へとやってきて、林業に従事することになる。研修生としての1年間を通して、彼がここで生きてい . . . 本文を読む
「ザ・少女マンガ」としか言いようのないような世界がここには展開していく。ここには何のひねりも気負いもない。全身少女漫画の世界だ。お約束のような展開を一切逸脱しない。見ていて恥ずかしくなるような展開を臆面もなく見せる。一昨年の『今日、恋をはじめます』もこんな感じだったけど、ここまで、全面的に少女漫画の王道を行く展開ではなかった。やりすぎというよりも、基本に忠実すぎて反対に驚きだった。そこは『ひみつ . . . 本文を読む
実に思い切ったことをする。一応は入れ子型の芝居のようになっているようなのだが、これがどこまで劇中劇なのかどうかすら曖昧なまま、話は進んでいくのだ。体裁としては、最初は撮影所を舞台にしたバックステージものとして始まる。ここは倒産寸前の映画会社の撮影所。時代劇専用のスタジオ。でも、もう時代劇なんかどこも作らない。スタ子主演の映画が撮影中。だが、撮影所は閉鎖されることになる。初めての主演映画なのに、中 . . . 本文を読む
今年の本屋大賞を受賞するのは至難の業になる(10作品のうち8冊を読んでいた。しかも、それぞれの小説のレベルが高い!)と思ったけど、たまたま読んでなかったこの小説が大賞を取ったと知って、じゃぁ、お手並み拝見という感じで読み始めた。なかなか話が始まらないし、ようやく70ページになってヒロインである姫が出てきてので、面白くなるぞ、とドキドキしたのに、一向にエンジンがかからない。それでも期待して200ペ . . . 本文を読む