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映画・演劇のレビュー

『二人で歩いた幾春秋』

2021-05-11 18:24:03 | 映画
62年の木下恵介監督作品。先行する傑作『喜びも悲しみも幾年月』の姉妹編のような作品だけれど、これが小品ながら見逃せない傑作だった。地味なモノクロ映画だが、これはそれが正解だ。カラーではこの素晴らしさは伝わらない。昭和21年からスタートして、公開当時の現代である1962年(昭和37年)の春までのお話である。主人公の夫婦は、もちろん高峰秀子と佐田啓二だ。河野道工の歌集『道路工夫の歌』を下敷きにして全編 . . . 本文を読む
コメント

『空に住む』

2021-05-11 16:45:27 | 映画
青山真治7年ぶりの新作が、こういう映画だったことに少し驚く。作家性の強い作品を作る彼がこんな風俗の表層をなぞるような題材を選ぶなんて意外だ、と思った。だけど、心配はいらない。映画はよくある「20代後半の女性の生き方を描く」作品にはならない。彼らしい透明感のある作品に仕上がっている。 最初この映画のポスターや宣材の多部未華子を見たときなんだか彼女じゃないみたいだ、と思った。その違和感に似た感触がこ . . . 本文を読む
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