山本能楽堂を舞台にしてまるで能舞台のような静謐な空間を造形する林慎一郎の新作。開演前から警備の男がそこにはいる。もちろん無言で目を光らせている。夜の闇の中にたたずむ。この冒頭から作品世界に引き込まれる。そこに男がやってくる。舞台中央、この芝居唯一の舞台装置の中に入る。そこは電話ボックスで、彼は居眠りをする。この白い砦のような空間は周りの闇から身を守るための場所だ。そこに警備員がやってくる。「こんな . . . 本文を読む
AチームはBチームの野放図な肉団戦とは違い、洗練された芝居になっていた。そこには演出のイトウワカナさんの美意識がしっかりと前面に出る。役者たちの衣装もユニホームにしていて統一した。ピンクのヤッケと白のポロシャが眩しい。
こちらは冒頭、まず新人が出てくるシーンから始まる。彼は黙々とひとり店長から言われた作業をしている。丁寧に買い物カゴの消毒をする。そこに5人の先輩たちが順番に登場するというかたちで . . . 本文を読む