配信されているドラマシリーズ全8話を受けた劇場版映画である。タイトルに『-The Final Act-』とあるようにこれが完結編。とはいえ映画単体では楽しめない作品っていいのか、とも思う。今の時代配信視聴を前提にして、というのはもう当たり前なんだけど。
映画はお話の始まり部分を捕捉する。ドラマの第1話で敢えてカットした部分を見せることでお話のスタート地点を再確認するところから始まる。既にドラマを見ているからまどろっこしいけど、これだけを見る観客へのサービスであろうか。微妙な匙加減で始まる。だから冒頭30分は、しっかり齋藤飛鳥が主人公だ。
そして本編は殺されたアイの復讐のための映画である『15年目の嘘』を撮影するというお話が中心になる。同時にそこで1本の映画を作る過程をしっかりドキュメントするのも興味深い。しかもそれはアイのこれまでの人生を娘であるルビー(齋藤なぎさ)主演で再現していく。
ただ完成披露試写会での事件からクライマックスに至るラスボスの二宮和也との話があまりに陳腐でガッカリした。あんなアホな展開はあり得ない。いくらなんでもこれで終わりだなんてあんまりだと思った。主人公であるアクア(櫻井海音)と二宮との戦いがあんな陳腐な幕引きでは納得いかない。
2時間9分にまとめるためにお話がダイジェストになってしまったのが原因か? それにしても脚本が杜撰すぎて腹立たしい。Amazonプライム・ビデオのドラマパートでも凸凹があったけど、最後を飾る映画までこんなことになったのは残念でならない。