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映画・演劇のレビュー

『密輸1970』

2025-03-16 16:33:00 | 映画
昨日、日本の1970を考える映画を見たこともあり、ついついこのタイトルに惹かれて見た。もちろんこれは昨年評判になった韓国映画で公開時に見たかった作品である。ようやく配信がスタートしてワクワクしながら見たのだけど、僕にはあまりピンとこなかった。

リュ・スンワンの監督作品だからと安心して見ていたのだが、あまり彼らしくはない。前作の『モガディシュ』は面白かったけど、今回はコメディタッチの娯楽映画なのになんだか人間関係がごちゃごちゃしていてお話もわかりづらいし、テンポがあまりよくない。これがどうしてこんなにも高い評価を得ているのか、よくわからない。

70年代の韓国の漁村が舞台となる。化学工場からの廃棄排水によって海水が汚染され漁は壊滅的打撃を受けている。仕方なく船を出す男たちと海女たちは密輸の仕事を請け負うことになる。75年という時代を背景にしたクライム・アクションがそこから展開する。

悪い奴らが右往左往して密輸品を奪い合うだけの話。主人公ふたり(キム・ヘスとヨム・ジョンア)の友情と反目、和解というストーリーに最後は他の海女たちも加わったチームが、散々痛め尽かされたところからの大逆転もただのパターンの域を出ない。海中シーンはなかなかの迫力であるが、お話自体がつまらないのではどうしようもない。残念だった。

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