新撰組は今けっこう大変みたいだ。座付き作家を失い、方向性が定まらないまま作り続ける様々なタイプの作品は、バラエティーに富んでいて、彼らはそれを楽しみながら作っているようにも見えるが(そこは心強いところだ、とも言えるけど)この状態がいつまで続くのか、と思うと、ファンである僕たち観客の方が不安になる。もちろん彼らも明確にならない方向性を持て余している。
今回の作品は、今までで一番苦しい出来になっている。メリハリのある作品にしようという努力は買うけど、いかんせんお話自体があまりに詰まらなさすぎる。まるで安物の2時間ドラマのような話だが、わざとこういうストーリーラインを提示することでその先の見せたかったものがあったのか。それさえおぼつかない。
ドラマを作り上げていく過程で構造に欠陥がある。『道成寺』を題材にしたらしいストーリーはその素材を生かし切れないまま、その骨格を頂いたというレベルに留まる。ここで描かれる男女の内面には一切迫り切れてないから、いくら芝居にメリハリをつけた演出がなされていようとも、芝居自体が力を持つことはない。すべては空回りしていくこととなったのが残念である。丁寧な演出(楢参蔵)には好感が持てるのだが。
次回の巻き返しに期待したい。前回のアトリエ公演があんなにもチャーミングな作品になっていたのだから、台本さえ自分たちの個性を生かすものであったなら、この優れた役者集団は熱くて感動的な舞台をきちんと見せてくれるはずだ。
今回の作品は、今までで一番苦しい出来になっている。メリハリのある作品にしようという努力は買うけど、いかんせんお話自体があまりに詰まらなさすぎる。まるで安物の2時間ドラマのような話だが、わざとこういうストーリーラインを提示することでその先の見せたかったものがあったのか。それさえおぼつかない。
ドラマを作り上げていく過程で構造に欠陥がある。『道成寺』を題材にしたらしいストーリーはその素材を生かし切れないまま、その骨格を頂いたというレベルに留まる。ここで描かれる男女の内面には一切迫り切れてないから、いくら芝居にメリハリをつけた演出がなされていようとも、芝居自体が力を持つことはない。すべては空回りしていくこととなったのが残念である。丁寧な演出(楢参蔵)には好感が持てるのだが。
次回の巻き返しに期待したい。前回のアトリエ公演があんなにもチャーミングな作品になっていたのだから、台本さえ自分たちの個性を生かすものであったなら、この優れた役者集団は熱くて感動的な舞台をきちんと見せてくれるはずだ。