習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

HPF、追手門、咲くやこの花、箕面+箕面東

2008-08-01 20:40:32 | 演劇
 先週末にHPFの芝居を3本見ている。選りすぐりの3本だ。本当ならもっと冒険して、もっとたくさんの作品を見たいのだが、時間がなくどうしても安全圏で選択してしまったようだ。

 もちろん、どうしても見たいのに見れない芝居もあった。その場合は仕方ない。諦める。金蘭会を見逃したのは悔しいなんてものではない。今はウイークデーになかなか職場を5時までに出れなくて仕方なくほとんどの作品をパスしてしまったというのが本音だ。

 昔は毎年ほぼぜんぶの作品を見ていた。あの頃は1日に3本とか、4本の日もあってそれを走りまわって全部見た。HPFがスペースゼロの主催だった。古賀先生の「審査員は基本的には全て見なくてはならない」という考えのもと必死に見続けた。あれはあれで快感だった。

 だが、今は無理しなくてもいいので、楽だ。人間は強制されなくてはなかなか無茶は出来ない。と、いうことで、諸条件から今年は5本しか見れない。

 追手門の『キル』はなんだか一番イキがよかった頃のこの集団の作品を思わせる傑作だ。まぁ、高校生は3年単位で卒業していくから、このチームではこれが初めての挑戦なのだが、完成度の高さは近年の追手門作品の中でも群を抜いている。2時間40分の大作をダレさせることなく、スマートで緊張感のある舞台としてよくぞ纏め上げたものだ。

 咲くやこの花の『美しい季節』もよく練られた作品だ。狙いはおもしろいし、抑制の効いた作品に仕上がっている。だが、話があまりに単純で演出だけではこの世界を支えきれない。4姉妹と猫が、旅行中で両親不在の家で過ごす時間が静かに綴られている。わるくないが、あまりに毒がなさ過ぎて退屈。

 箕面東+箕面『満チ引キ』も話が単調すぎて芝居がそれを支えきれてない。単純とか、単調とか、って実は大変なことなのだ。それでも緊張感を保ち続けるなんて大人でも並大抵ではない。なのに、高校生達はそんな芝居に敢えて挑戦していく。お話に逃げたりしない。だが、結果的には失敗している。行方不明の船長の帰りを待つ長い長い時間。そんな中で青年は人魚と出会う。2人の思いのすれ違いに焦点を当ててもう少し劇的なドラマを作ってはどうか。あまりにスタイリッシュになりすぎて、芝居としての醍醐味がないのが残念だ。

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