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映画・演劇のレビュー

『僕が幽霊と家族になった件』

2023-09-07 08:47:00 | 映画

今年2月に台湾で公開されて大ヒットした映画らしい。早くも8月に日本でも公開されるから、台湾大好きのうちの妻が大喜びしたが、なんと劇場公開直後にNetflixでほぼ同時配信もスタートした。大阪の劇場では1週間で終了したから、見に行けなかったが、配信で早速見ていた。

凄い世の中になったものだ。本国でスマッシュヒットした映画でも、日本ではなかなか公開されなくて、イライラさせられるというのが、常だった時代は遠くなって、今はこんな便利。だけどなぁ、とも思う。それはともかくとして、僕も暇だから、まず見ることにした。(だって一緒に劇場に行こう、と言われていた映画だから、ね)

これはホラーではない。コメディだ。こういう呑気なコメディ映画って、台湾の人はきっと好きなんだろうなぁ、と改めて思う。毒にも薬にもならないような映画をみんなで見て大笑いする幸福感。これはこれでいいです。ただ、台湾で満員の劇場でなら「良かったー」と思うけど、ガラガラのシネマート心斎橋で見たらツラいかも。まぁ、お家でひとりで見るのも、なんだかなぁとは思うけど。
 
さて、この映画、台湾や中国など東アジアや東南アジアに古くから伝わるという風習である「冥婚(めいこん)」というものを題材にしているらしい。冥婚なんて僕はもちろん知らなかったが台湾の人にとってはなじみのある風習なのだろう。だから向こうの人はお話に入り込みやすいはずだ。そこに同性愛者の結婚を絡めたストーリーも身近な問題として受け入れやすい。たわいないコメディだが、新しい家族の形態を支持しているし、微笑ましい。
 
(どちらかというと)同性愛者を嫌悪する警官が捜査中に落ちていた祝儀袋を拾い冥婚を強制される。しかもその後警官は死んだ男が見えるし、なんと彼とバディを組んで事件を解決することになる、というノーテンキなお話。まぁ、よくあるパターンだけど。
 
前半は見ていていささかつらかったが、だんだんこのノリに慣れてくるし、そのうち受け入れられるようにもなる。2時間10分と長めの映画だが、のんびり見ているとそれなりには楽しめる。ラストはほんわかした気分にもなる。悪くはない。(よくもないけど)
 

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