『チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密』

ちょっと疲れていたから、あまり何も考えなくていいような映画を見ようと思った。そう言う意味でこのバカバカしいにも程があるような映画はいいのではないか、と思った。ジョニー・デップがちょび髭を生やす映画。それだけではないだろうけど、そんなどうでもいいようなことを大々的に宣伝にする。なんて平和な映画だろうか。宣材として、登場人物たちがみんなちょび髭を付けて顔を並べたチラシを作っていたが、あれ何ななんなんだろうか、わけがわかりません。

ということで、これはきっとしょうもないし、ただのバカだろうと、理解して、見に行く。すると、まさに予想的中のバカバカ映画だった。しかも、ユルい。実にくだらない映画だった。だから、もう何も考えず、お菓子をばかばか食べながら、ただ、ぼんやりして、見ていた。

お話はない。こんなのをお話とは言わない。盗まれた名画を取り戻すために大奮闘するジョニー・モルデカイ。ご苦労さん。なんか、頑張っているようには見えないけど、最後は無事解決する。結局、何も得るものはない。予想通り。予定調和の極みのような映画だ。でも、適当に見ていられる。苦笑しながら見る。「くだらねぇ」とつぶやきながら。

どうしてジョニー・デップはこんな映画に出たのだろうか、とは思わない。進んで出たのだろう。こういうのを息抜きにしたのだ。立派な映画ばかりがまかり通るわけではない。たまには確信犯的にこういうのがあった方がいい。