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映画・演劇のレビュー

『名探偵コナン 紺青の拳』

2019-04-24 20:39:04 | 映画

内容的に昨年のコナンは子供には難しいのではないか、と思わせる作品だったが、今年のコナンはなんと字幕が3割くらい入るというまた別の意味で子供には困難な映画になっている。大人から子供まで楽しませる映画としてはこういう冒険もまた必要なのか。映画はまるで媚びない。だからといって独りよがりになるわけではない。驕り高ぶるわけでもない。毎回の大ヒットで、常に次回作が期待される国民的映画にすら成長し、ハードルはどんどん高くなる。毎年興行収入連続年間日本映画ベストワン更新をし、そんな安定に胡坐をかくわけでもなく、謙虚に新作を作り続ける。3月の『ドラえもん』の新作も凄くよかっただけに今回も期待させられる。

今回の舞台はシンガポール。アニメ映画だから海外ロケというわけではないけど、コナンが日本を離れて事件に挑むという設定はなかなかいい目の付け所かもしれない。しかも、今回は怪盗キッドとw主演になる。新一になったキッドとコナンのやり取りとか、ファンを楽しませる設定はちゃんと用意しているけど、そこまでだ。いつもながらの細部でしっかり仕掛けて、楽しませるという塩梅のはずだった。

だけど、お話自体がなんだか安直で映画はそれなりには派手ではあるけど、細部には目が届かない。見ている分には楽しめるけれど、というレベル。少し期待外れの一作だった。

 

GW,毎年楽しみなもう一本の映画『クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~』も見たけど、こちらも残念な仕上がりで、マンネリというわけではないけど、(というか、もう偉大なるマンネリ)新機軸がない。今頃インディ・ジョーンズなのか、というところが新機軸なのなら、それにもっと意味を持たせたい。80年代のノリを今再現することで、何を見せたかったのか。大冒険活劇の復権をしんちゃんに任せるとどういうことになるのか。そこが狙いだったのか。ただ映画は思ったほどには弾まない。及第点レベルで残念。


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