張り出し舞台で客席はコの字型に作ってあり、3方向から舞台から舞台を囲むようになっている。舞台奥の本来の舞台となる部分にはナイトクラブの設定がなされており、そこではもう一つのドラマが並行して展開していくことになる。アンサンブルとしてのドラマが本編と時には同時進行で、あるいは本編に挟み込まれながら演じられていく。背後のドラマは無言劇である。あくまでもこれはテネシー・ウィリアムズの短編戯曲の2本立てであるという、そのラインは崩さない。
2人の演出家によって描かれる2本はそれぞれ独立した作品だが2本は流れるようにこの大きなドラマの中に納まっていく。都会の片隅でひそやかに生きる女たちの姿をつなげて見せる。
パブリックな空間としてのナイトクラブでのさまざまな人々のやりとりを背景にして、閉ざされた空間であるアパートの一室でのベットの周辺に限定された狭い場所での2人の女たちのそれぞれのドラマを見せる。その対比が大きな意味での大都会で生きる人たちの営みを伝える。男の帰りを待ち続ける若い女、死んでいこうとする中年の娼婦、彼女たちの痛みへとすべてが収斂していくという構成になっている。
作品としては1本目のすれ違う男女を描いた『話してくれ、雨のように・・・』の方がよく出来ているが、『バーサよりよろしく』もこの戯曲にほれ込んだ演出の北岡亮輔さんの熱い思いが伝わる好感の持てる作品だ。いささかオーバーアクト気味の松岡73さんの1本調子は作品にそぐわないが、それも若さゆえということでよしとしよう。
全体の構成がとても上手く、結果的には、心に沁みるいい仕上がりとなった。ロビーも含めて細部まで目の行き届いた公演になっているのもいい。作り手のこだわりが嬉しい。集団名のWalpurgisnachtは「ワルプルギスの夜」という意味らしい。読めないような劇団名というのはなんだかなぁ。
2人の演出家によって描かれる2本はそれぞれ独立した作品だが2本は流れるようにこの大きなドラマの中に納まっていく。都会の片隅でひそやかに生きる女たちの姿をつなげて見せる。
パブリックな空間としてのナイトクラブでのさまざまな人々のやりとりを背景にして、閉ざされた空間であるアパートの一室でのベットの周辺に限定された狭い場所での2人の女たちのそれぞれのドラマを見せる。その対比が大きな意味での大都会で生きる人たちの営みを伝える。男の帰りを待ち続ける若い女、死んでいこうとする中年の娼婦、彼女たちの痛みへとすべてが収斂していくという構成になっている。
作品としては1本目のすれ違う男女を描いた『話してくれ、雨のように・・・』の方がよく出来ているが、『バーサよりよろしく』もこの戯曲にほれ込んだ演出の北岡亮輔さんの熱い思いが伝わる好感の持てる作品だ。いささかオーバーアクト気味の松岡73さんの1本調子は作品にそぐわないが、それも若さゆえということでよしとしよう。
全体の構成がとても上手く、結果的には、心に沁みるいい仕上がりとなった。ロビーも含めて細部まで目の行き届いた公演になっているのもいい。作り手のこだわりが嬉しい。集団名のWalpurgisnachtは「ワルプルギスの夜」という意味らしい。読めないような劇団名というのはなんだかなぁ。