いつもほんとに変な芝居を見せてくれる(これは褒め言葉)劇作家集団ヨヴメガネの新作は2話からなる連作。本当なら栗田俊之さんの新作と松永恭昭さんの2本立のはずが、諸般の事情で松永作品の2本上演となった。
彼の台本はいつも話の輪郭がはっきりしない。それが魅力でもあるが、連続でやられるとすこしへこたれる。1本目の『へ~たんな路』はゲームをする男女と、小説を書いている女とそれを見ている男、この2組の話が交互に描かれていく。ゲームをする2人がただひたすら手を振っている動作。あのしぐさ自体は面白いが、それだけ。そこを基点にしてのさらなる展開が欲しい。今回の演出はいつもぼ~っとしている森本洋史さん。(これも一応褒め言葉!)彼の事だからことさら深い意味なんかないんだろうがあれだけではもったいない。
それにしてもここまでストーリーを持たない芝居を緊張感を持続させながら見せ切ることはかなりの困難を伴う。ありきたりな設定をこんなにもわかりにくくみせるのはなんだかずるい。
彼らが長編に挑戦しないのはこのスタイルにも原因があるのではないか。今回はいつもにも増してメリハリを欠く。前回演出にFrance_panの伊藤さんを迎えたことで成立した台本の雰囲気をきちんと視覚化して全体を構築するという作業が今回は出来ていない。それは森本さんの個性でもあるのだが、では、このそっけなさによって何が見せれたのかと言うといささか心許ない。つまらないというわけではないが、少し退屈する。
2本目の『いつまで、夏休みか』は1本目よりはメリハリがある。話がしっかりしているからだ。両親のいなくなった家で2人で暮らす兄と妹。そこに障害を持った男が訪ねてくる。大竹野春生さんが腰が低そうに見えてハンディーを逆手にとるような攻撃的行動に出るのが面白い。だが、これもそれが何を描こうとしての行為なのかが曖昧で、伝わりきらない。
この曖昧さに上手く嵌る人にとっては快感なのかもしれないが、あまりに間口が狭すぎて感心しない。
彼の台本はいつも話の輪郭がはっきりしない。それが魅力でもあるが、連続でやられるとすこしへこたれる。1本目の『へ~たんな路』はゲームをする男女と、小説を書いている女とそれを見ている男、この2組の話が交互に描かれていく。ゲームをする2人がただひたすら手を振っている動作。あのしぐさ自体は面白いが、それだけ。そこを基点にしてのさらなる展開が欲しい。今回の演出はいつもぼ~っとしている森本洋史さん。(これも一応褒め言葉!)彼の事だからことさら深い意味なんかないんだろうがあれだけではもったいない。
それにしてもここまでストーリーを持たない芝居を緊張感を持続させながら見せ切ることはかなりの困難を伴う。ありきたりな設定をこんなにもわかりにくくみせるのはなんだかずるい。
彼らが長編に挑戦しないのはこのスタイルにも原因があるのではないか。今回はいつもにも増してメリハリを欠く。前回演出にFrance_panの伊藤さんを迎えたことで成立した台本の雰囲気をきちんと視覚化して全体を構築するという作業が今回は出来ていない。それは森本さんの個性でもあるのだが、では、このそっけなさによって何が見せれたのかと言うといささか心許ない。つまらないというわけではないが、少し退屈する。
2本目の『いつまで、夏休みか』は1本目よりはメリハリがある。話がしっかりしているからだ。両親のいなくなった家で2人で暮らす兄と妹。そこに障害を持った男が訪ねてくる。大竹野春生さんが腰が低そうに見えてハンディーを逆手にとるような攻撃的行動に出るのが面白い。だが、これもそれが何を描こうとしての行為なのかが曖昧で、伝わりきらない。
この曖昧さに上手く嵌る人にとっては快感なのかもしれないが、あまりに間口が狭すぎて感心しない。