
このやけに長くて漢字の多い(しかも画数も多い)タイトルを持つ短編映画は実にチャーミングな作品である。なんと今時フィルム撮りをしているし。そこにはたった18分なのに充実した時間が描かれる。
コンクールでの演奏まであと3時間。なのにアイツが出奔した。だから私はアイツを連れ戻すために走る。
前半部分は山の中に入って河原で彼女を見つけ出し、連れ戻すまで。ふたりはびしょ濡れになってしまうけどお構いなし。後半はステージに立ち演奏する描写。映画はこの2エピソードで構成されている。
とてもシンプル。そんな中でさまざまな出来事も描かれる。演奏途中で舞台上で倒れてしまったり、だけど演奏を止めず続けるとか、あり得ない展開になる。部活もの青春映画の定番をこの上映時間の中でエッセンスだけを抽出して見せる。実に上手い。