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当日パンフで劇団オニガシラ一座公演の「ごあいさつ」があり、芝居はもちろん劇団オニガシラ一座の公演として始まる。今回のオリゴ党は、岩橋貞典さんのお膳立てするギミックが満載された作品で、一体どこに帰着するのか、最後の最後までわからない。しかも、かなり危うい構成になっており、すべってしまうばかりか、不時着する可能性も多々あった。だから、見ながらかなりドキドキしたのも事実だ。昔の岩橋さんならきっと途中で空中分解して「げへっ」っと舌を出すパターンだ。でも、もう43歳の大人になった岩橋さんは見事着地に成功する。よかった、よかった。
劇中劇として設定されたオニガシラ一座の公演の本番が今回のスタートだ。「ゾンビもの」で、もうお決まりのパターンをそのまま踏襲する。ロメロの『ゾンビ』をベースにして、ちゃんと『バイオハザード』も盛り込んである。スタートしてすぐに、殺人事件が起こる。本番中に座長である鬼頭千万が楽屋で死んでいた!
本番を行いながら、殺人事件の謎を解く、という展開だ。舞台上のスタッフが携帯電話で、客席から探偵を呼び出して、通話する。そして彼女を舞台に上げる。さらには(彼女も当然芝居のキャストなのだが、)コナンのような眼鏡をかけたその彼女に殺人事件のなぞ解きを任せる。そうすると、当然、彼女の邪魔をするように、彼女の探偵事務所の所長である無能な探偵(もちろん、今中黎明)が登場する。もう、こういうお決まりの展開をどこまでも踏襲するのが、今回のオリゴ党だ。もちろん、そのバカ探偵があきれた推理を働かせるのも定番だ。毛利小五郎である。全体の流れとしては金田一耕助シリーズをベースにしているから、加藤武の「よし、わかったぁ」もやって欲しかった。終盤事件の謎を解くのは、舞台監督助手の青年で、彼の名前がコウタロウというのは、金田一の「耕助」を意識したのか? そんなこんなの瑣末なことばかりが散りばめられてあるから、その一つ一つに触れていたら枚挙の暇もない。
だが、ただただふざけているわけではない。「ゾンビもの」という最初のお遊びが、実はこの芝居の基本構造を担うばかりか、そこに見事お話全体を落とし込むのだ。このストーリーの構造は「吸血鬼もの」なのである。とてもうまい。女たちは外部から男を呼び寄せ、彼らの命を奪うことで永遠の生を得る。劇中劇としての「ゾンビもの」も、殺人事件の謎も、すべてがちゃんと収まるところに納める。
作品全体にはこういう話だから、それ以上の深みなんかないけど、とてもよく出来ている。1時間50分という上演時間も適切。これで2時間以上にしたなら許さん(笑)。(岩橋さんはなんと、1時間40分を目指したようだが)
劇中劇として設定されたオニガシラ一座の公演の本番が今回のスタートだ。「ゾンビもの」で、もうお決まりのパターンをそのまま踏襲する。ロメロの『ゾンビ』をベースにして、ちゃんと『バイオハザード』も盛り込んである。スタートしてすぐに、殺人事件が起こる。本番中に座長である鬼頭千万が楽屋で死んでいた!
本番を行いながら、殺人事件の謎を解く、という展開だ。舞台上のスタッフが携帯電話で、客席から探偵を呼び出して、通話する。そして彼女を舞台に上げる。さらには(彼女も当然芝居のキャストなのだが、)コナンのような眼鏡をかけたその彼女に殺人事件のなぞ解きを任せる。そうすると、当然、彼女の邪魔をするように、彼女の探偵事務所の所長である無能な探偵(もちろん、今中黎明)が登場する。もう、こういうお決まりの展開をどこまでも踏襲するのが、今回のオリゴ党だ。もちろん、そのバカ探偵があきれた推理を働かせるのも定番だ。毛利小五郎である。全体の流れとしては金田一耕助シリーズをベースにしているから、加藤武の「よし、わかったぁ」もやって欲しかった。終盤事件の謎を解くのは、舞台監督助手の青年で、彼の名前がコウタロウというのは、金田一の「耕助」を意識したのか? そんなこんなの瑣末なことばかりが散りばめられてあるから、その一つ一つに触れていたら枚挙の暇もない。
だが、ただただふざけているわけではない。「ゾンビもの」という最初のお遊びが、実はこの芝居の基本構造を担うばかりか、そこに見事お話全体を落とし込むのだ。このストーリーの構造は「吸血鬼もの」なのである。とてもうまい。女たちは外部から男を呼び寄せ、彼らの命を奪うことで永遠の生を得る。劇中劇としての「ゾンビもの」も、殺人事件の謎も、すべてがちゃんと収まるところに納める。
作品全体にはこういう話だから、それ以上の深みなんかないけど、とてもよく出来ている。1時間50分という上演時間も適切。これで2時間以上にしたなら許さん(笑)。(岩橋さんはなんと、1時間40分を目指したようだが)
まあ、瑣末なことですけれど…