SFのスタイルで(というか、これはジャンル分けするとSFなのだろう)語られる子供の時間の終わりを描く佳作。閉ざされた時と場所で、永遠の17歳を生きる少年少女の物語。
彼らは18歳になるとここを出て行き戦場に送られる。だから、本当は永遠の17歳というのは嘘で、17歳でエンドを迎えるのだ。しかし、ここで生きる彼らはその短い時間を永遠のように生きている。不安の中で過ごす時間は諦めと背中合わせだ。個々を出たならどんな時間が待ち受けるのか、わからない。
だから、彼らはその一瞬の夏(あるいは永遠に思える冬)を精一杯に生きる。とても静かな小説だ。運命を受け入れて緩やかに流れる時間に身を任せ、穏やかに時を過ごす。
3つの中篇の連作である。『夏の教室』『冬の教室』『海辺の教室』はそれぞれ独立した作品だが、互いにリンクし合い、一つの世界を作り上げていく。それが1本の長編にもなっていく。情報が小出しにされ、最後に一つになる。さらりと読めて綺麗な風景がしっかり心に残る作品だ。
彼らは18歳になるとここを出て行き戦場に送られる。だから、本当は永遠の17歳というのは嘘で、17歳でエンドを迎えるのだ。しかし、ここで生きる彼らはその短い時間を永遠のように生きている。不安の中で過ごす時間は諦めと背中合わせだ。個々を出たならどんな時間が待ち受けるのか、わからない。
だから、彼らはその一瞬の夏(あるいは永遠に思える冬)を精一杯に生きる。とても静かな小説だ。運命を受け入れて緩やかに流れる時間に身を任せ、穏やかに時を過ごす。
3つの中篇の連作である。『夏の教室』『冬の教室』『海辺の教室』はそれぞれ独立した作品だが、互いにリンクし合い、一つの世界を作り上げていく。それが1本の長編にもなっていく。情報が小出しにされ、最後に一つになる。さらりと読めて綺麗な風景がしっかり心に残る作品だ。