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ポ-ル・トーマス・アンダーソン監督の新作は新興宗教の教祖とその信者となる心を病んだ男との確執劇。フィリップ・シーモア・ホフマンとホアキン・フェニックスのバトルが全編を彩る。ストーリーらしいストーリーがない。彼らの関係性を軸にして、それぞれの一方的な想いがぶつかり合うばかりだ。しかも、まるで救いがない。延々と続く諍いと和解、さらなる諍い。その繰り返し。
だが、その繰り返しから目が離せない。ホアキンは喧嘩早くて、アル中で、どうしようもないような男である。教団にとってホアキンは邪魔なだけの存在なのだが、そんな彼をホフマンはなぜか突き放すこともなく見守る。それは慈愛ではない。迷惑ばかりかけるし、突き放して置くほうが自分にとっても教団にとっても、楽だ。だが、拒絶させないものが彼の中にはある。お互いに魅かれあう。
映画はこの2人の関係性をじっくりと見せる。重い映画だし、一切カタルシスはない。だが2時間18分の長尺が、長くは感じない。破滅的な生き方をするホアキン演じる主人公の姿から一瞬も目が離せない。危なっかしい。救いもない。ただそれだけ、だが、そのことがこの映画の魅力でもある。
だが、その繰り返しから目が離せない。ホアキンは喧嘩早くて、アル中で、どうしようもないような男である。教団にとってホアキンは邪魔なだけの存在なのだが、そんな彼をホフマンはなぜか突き放すこともなく見守る。それは慈愛ではない。迷惑ばかりかけるし、突き放して置くほうが自分にとっても教団にとっても、楽だ。だが、拒絶させないものが彼の中にはある。お互いに魅かれあう。
映画はこの2人の関係性をじっくりと見せる。重い映画だし、一切カタルシスはない。だが2時間18分の長尺が、長くは感じない。破滅的な生き方をするホアキン演じる主人公の姿から一瞬も目が離せない。危なっかしい。救いもない。ただそれだけ、だが、そのことがこの映画の魅力でもある。