山田孝之がひとり3役で、3つのまるで別々のお話の中で大暴れする。石橋義正監督の待望の新作である。この荒唐無稽な世界に放り込まれてそこで、想像もつかない冒険の旅に出る。鈴木清順監督も特別出演しているが、往年の彼の作品を見ているような驚きが満載である。極彩色の筆使いは、豪快だ。しかも、大胆極まりないお話とビジュアルで、あきれるやら、興奮するやら、何がなんだかわけがわからない。凄すぎる。バカすぎる。笑いすぎて、涙が出る。3つの話は渾然一体となり、ばらばらで、一緒くた。もうどうしたらいいのやら、わけのわからないおもしろさなのだ。
それにしても山田孝之、やばすぎ。彼の狂気がここに極まれる。しかも、まるで違う3つのキャラクターを描き分けるのではなく、同じ狂気で見せるのだ。暴力的な男の中にある優しさと、優しい男がどんどん暴力的になる姿は表裏一体だ。冒頭の少年のエピソードは忘れた頃に続きが描かれて、それがなんとも消化不良な大団円に続く。そのアンバランスもすばらしい。直前の大立ち回りが実質のクライマックスなのだが、その後に、こんな中途半端なエピソードを持ってきて、そこで終わりにするなんて、なんと確信犯的行為か。90分という上映時間もいい。長くもないし、短くもない。こういう短いエピソードの連鎖した世界を見せる作品はこれ以上の長さになるとどうしてもだれてしまう。もっと、見たいのに、と思わせるところで終わるのがいい。そういう意味でもこの終わらせ方は心憎いばかりだ。
ほんとうにまるで意味がない映画だ。だが、それがどうした! と思う。この無意味さこそ、映画のおもしろさ。すさまじいイマジネーションのシャワーを浴びてメロメロになること必至。ぜひ、この傑作を体験しよう! 半端じゃないから。
それにしても3つのキャラクターはそれぞれいいけど、やはりベッソン熊谷(上の写真はベッソン演じる山田孝之)が一番すごい。彼のエピソードの部分が一番好き。すさまじいテンポのよさ。山田孝之のりのり。ダンスシーンも最高。
それにしても山田孝之、やばすぎ。彼の狂気がここに極まれる。しかも、まるで違う3つのキャラクターを描き分けるのではなく、同じ狂気で見せるのだ。暴力的な男の中にある優しさと、優しい男がどんどん暴力的になる姿は表裏一体だ。冒頭の少年のエピソードは忘れた頃に続きが描かれて、それがなんとも消化不良な大団円に続く。そのアンバランスもすばらしい。直前の大立ち回りが実質のクライマックスなのだが、その後に、こんな中途半端なエピソードを持ってきて、そこで終わりにするなんて、なんと確信犯的行為か。90分という上映時間もいい。長くもないし、短くもない。こういう短いエピソードの連鎖した世界を見せる作品はこれ以上の長さになるとどうしてもだれてしまう。もっと、見たいのに、と思わせるところで終わるのがいい。そういう意味でもこの終わらせ方は心憎いばかりだ。
ほんとうにまるで意味がない映画だ。だが、それがどうした! と思う。この無意味さこそ、映画のおもしろさ。すさまじいイマジネーションのシャワーを浴びてメロメロになること必至。ぜひ、この傑作を体験しよう! 半端じゃないから。
それにしても3つのキャラクターはそれぞれいいけど、やはりベッソン熊谷(上の写真はベッソン演じる山田孝之)が一番すごい。彼のエピソードの部分が一番好き。すさまじいテンポのよさ。山田孝之のりのり。ダンスシーンも最高。