ある家族の16年間の軌跡を描くのだが、ふつうの家族ではない。4人は、ふたりの女性と、ふたりの子供たち。最初は3人だった。でも、お腹にいた赤ちゃんが生まれたから、4人になった。
レズビアンのカップルと6歳の息子は東京から逃げ出す。駆け落ちだ、と言う。自分たちが自由に生きることが出来る場所を求めて旅をする。安住の家を求める。廃屋になっていた田舎の小さな学校を改築して(お金がないから自分たちの手で)そこに住む。やがて、そこを宿泊施設にする。自分たちのようなカップルが気兼ねせずに泊れる場所にする。夢に住みかを作りあげる。いくつもの困難に直面するけど、それを乗り越えていく。差別や偏見に合いながらも、逃げることなくここに根付く。
最初は偶然だった。19歳の女の子と30代の主婦が出逢った。女の子は電車に飛び込んで死ぬつもりだった。だから、助けた。だけど、やがて助けたほうが助けられる。彼女の夫は家を出て愛人の元にいる。家庭は崩壊していた。そんな彼女を優しく包み込んでくれる。お互いがお互いを必要としていた。だから、好きになったとき、覚悟を決める。離婚をして、新しい人生を始める。息子を含めて3人で生きようと。こんなのありえない、と思う。でも、ありえる。彼女たちが自分たちの未来を切り開く。
そんな4人の語りで4章構成の長編。出逢いから、家族を作り、自分たちの場所を作り、みんなを巻き込んで、未来を作る。周囲の理解を勝ち取るまでには長い時間が必要だった。でも、彼女たちはちゃんと幸せな家族を作り上げていくのだ。最初はありえないし、無理、と思いながら読み始めた。でも、途中からこういう奇跡が信じられることの幸福を噛みしめる。そして、最後にはこれは奇跡なんかではなく彼女たちが勝ち取った現実なのだ、と思えれる。ただのハートウォーミングなメルヘンではなく、リアルな現実として受け止めれる。
それだけに終盤の展開には驚く。彼女たちにこんな不幸を用意しなくてもいいじゃないか、と思う。でも、これをただの不幸だと受け止めるのではない。何があろうとも、受け入れて生きていく。何があるかなんて、わからない。これは不条理だ、と恨んでも仕方ない。それが現実ならばその現実の中で生きていくしかない。何が不幸で何が幸福か、なんてわからない。ただ、今こうしてここにいる。試練を乗り越えれるか、ではない。ここで生きていく、と決意してここでこれまで生きてきた。だから、これからも生きていく。この後、何が待ち受けているかはわからない。もっと困難が待ち受けるかもしれない。でも、大丈夫だ。そう思いたい。
レズビアンのカップルと6歳の息子は東京から逃げ出す。駆け落ちだ、と言う。自分たちが自由に生きることが出来る場所を求めて旅をする。安住の家を求める。廃屋になっていた田舎の小さな学校を改築して(お金がないから自分たちの手で)そこに住む。やがて、そこを宿泊施設にする。自分たちのようなカップルが気兼ねせずに泊れる場所にする。夢に住みかを作りあげる。いくつもの困難に直面するけど、それを乗り越えていく。差別や偏見に合いながらも、逃げることなくここに根付く。
最初は偶然だった。19歳の女の子と30代の主婦が出逢った。女の子は電車に飛び込んで死ぬつもりだった。だから、助けた。だけど、やがて助けたほうが助けられる。彼女の夫は家を出て愛人の元にいる。家庭は崩壊していた。そんな彼女を優しく包み込んでくれる。お互いがお互いを必要としていた。だから、好きになったとき、覚悟を決める。離婚をして、新しい人生を始める。息子を含めて3人で生きようと。こんなのありえない、と思う。でも、ありえる。彼女たちが自分たちの未来を切り開く。
そんな4人の語りで4章構成の長編。出逢いから、家族を作り、自分たちの場所を作り、みんなを巻き込んで、未来を作る。周囲の理解を勝ち取るまでには長い時間が必要だった。でも、彼女たちはちゃんと幸せな家族を作り上げていくのだ。最初はありえないし、無理、と思いながら読み始めた。でも、途中からこういう奇跡が信じられることの幸福を噛みしめる。そして、最後にはこれは奇跡なんかではなく彼女たちが勝ち取った現実なのだ、と思えれる。ただのハートウォーミングなメルヘンではなく、リアルな現実として受け止めれる。
それだけに終盤の展開には驚く。彼女たちにこんな不幸を用意しなくてもいいじゃないか、と思う。でも、これをただの不幸だと受け止めるのではない。何があろうとも、受け入れて生きていく。何があるかなんて、わからない。これは不条理だ、と恨んでも仕方ない。それが現実ならばその現実の中で生きていくしかない。何が不幸で何が幸福か、なんてわからない。ただ、今こうしてここにいる。試練を乗り越えれるか、ではない。ここで生きていく、と決意してここでこれまで生きてきた。だから、これからも生きていく。この後、何が待ち受けているかはわからない。もっと困難が待ち受けるかもしれない。でも、大丈夫だ。そう思いたい。