「八日目の蝉」(監督 成島出)

              

 先日読んだ角田光代原作「八日目の蝉」の映画化です。前評判も良いようで凄く楽しみにしていました。いつもの新高島の109シネマズMM横浜です。昨日、公開初日の1回目をネット予約したところ、中央一番後ろのブロックの通路側と最高の席を確保できました。
 鑑賞前の関心どころは、読者の頭の中の情景よりも客観的に状況が示されるだろう映像の世界で誘拐という犯罪(加害者の残虐性)と原作のポイントである希和子の子供への愛情とがどう描かれるのか。それとも原作に忠実に母性が中心に据えられた映画となるのか。

 全般を通じてサスペンス、逃亡ものとして楽しめました。映像なので原作を知っている立場からは背景の説明不足の感が否めない個所もありますが弛緩するところもなく2時間半、本当にあっという間です。やはり前半は犯罪によって人生を目茶目茶にされたと考えている被害者本人と家族の悲劇にもスポットが当てられますが、後半は原作の最大の魅力といえる母性、子供への愛情、子供との幸せな時間の描写が主体となり纏められます。
 テレビドラマでなくて映画ですから子役も上手くて、希和子と薫の様々なシーンには涙です。最後の方は若干その辺りのお涙頂戴調が強くて、映画手法としてはちょっとやりすぎ反則かぁというところもありますが原作にほれ込んだ観客には許容範囲でしょうか。

 原作は2部構成で時代がはっきりと分かれていますが、映画は事件と15~18年後とが交互に描かれて、最後に記憶が交差していきます。そして思い出の地、小豆島で子供時代の薫と成人した恵理菜が時間を超えて邂逅します。

 私も2009年3月に岡山からフェリーに乗って小豆島を旅行しました。とても印象に残っていて映画に登場したいくつかの景色には見惚れてしまいました。因みに寒霞渓をロープウェイで登るシーンがありますが頂上からの眺めは実際の寒霞渓からのものではなくて、ぐるっと廻ったおそらく四方指展望台からの眺望です(ガイド本には載っていませんがここが最高なのです!)。それに千枚田、岬の分教場、(おそらく)春日神社周辺など懐かしかったです。

 終結部、ラストシーンは原作とは別バージョンのオリジナルです。原作のラストシーンは余韻の残るいいシーンなので内心二人の巡り合い、すれ違いの映像を期待していたのですがそれとは違うエンディングです。原作どおりだと捻りがないので工夫を凝らしたのでしょうか。この映画版もよかったですが小豆島を遠く眺める地に戻ってきた希和子の映像も観てみたかったです。

 永作博美は余裕のある好演で感情移入できました。原作のイメージと違和感ありません。恵理菜の井上真央も悪くはなかったですが性愛シーンは腰が引けていて少しシラケます。キスシーンですら映らないように撮っていると観ているこっちの方が恥ずかしくなってしまいます。これは本人の問題ではなくてイロイロと事情はあるのでしょうが、ここを体当たりの演技ができれば映画の深みもまた違ってくると思うのですが・・・。千草の小池栄子もいい味を出していました。

 撮影は今回の震災の前だと思うのですが、「見上げてごらん夜の星を」が効果的に使われていてジーンときました。エンディングで流れる中島美嘉の「Dear」も切ないメロディでいいです。




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「モス・バーガー」(大倉山店)

          

 ベーコンが大好きなのでBLTという言葉、メニューにはすぐ反応してしまいます。それがモスの新作となれば食べてみない訳にはいきません。日吉には残念ながらモス・バーガーはないので映画帰りに大倉山で下車して店に向かいました。

 とびきりハンバーグサンド「BLT」単品で490円です。ポテトSと飲み物のセット320円と合わせると810円です。マックの感覚からは高いのでしょうが、それなりの食材を集めるためには仕方のない値段設定でしょうか。他人様が気に入っているものに難癖付けるのもナンですが、以前、久しぶりにマックでマイアミバーガー(?)という季節限定ものを食べてみたのですが、死ぬほどマズくてたまげました。幾らだったか忘れましたがこんなもの100円でも食べたくないと思いました。

 で、BLTです。モスに外れはないですがやはり旨いです。正直、ハンバーガーにトマトは不要ではないかと思っているのですが、ハンバーグとベーコンのジューシーな旨みが勝っていて大満足です。やっぱりモスですね。




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