西炯子「姉の結婚 八」

                  

 「3月のライオン」と並んで新刊を楽しみにしていた西炯子(にしけいこ)の「姉の結婚」、第8巻で最終巻となりました。

 前作の「娚の一生」の続編にあたるようなアラフォー女性の恋愛物語。都会で不倫に溺れて傷付いた主人公が故郷に帰ってくる。もう恋なんてしないと思っていたのに、魅力的な男性が現れて・・・。舞台を仮想鹿児島から仮想長崎に移して、穏やかな田舎の空気感・街並み、素朴な人間達の中で、傷心が少しずつ癒されていく。

 ベースとなる設定は似ていても「姉の結婚」は前作の健全な倫理感から一歩踏み込んで、ドロドロの人間関係に突入するのかと前半ドキドキしました。しかし、途中からは恋から少し距離を置いて、地道な努力が報われだした専門分野、地元への貢献などに自分の居場所を見つけるようになる。

 あれ?どうなるんだろうと読み進めましたが、意外とさっぱりとフィナーレとなりました。若干、期待がすかされた印象は残りましたが、主役級のキャラの強さに地方都市特有の緩さが相俟って楽しめました。
 最後は少し回りくどい感じもしましたが、さわやかなハッピーエンドでおしまいです。


 西炯子の作品には成年女性(?)を主役に据えるものと可愛らしい少女を物語の主人公とするものがありますが、私はさすがに少女系には付いていけないので、これからも成年女子ものを手掛けてほしいです。次作を楽しみにしています。





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「スマトラ」(新橋)

          

 一番好きなカレー、新橋の「スマトラ」です。何系というのか分からないのですが黄色いオーソドックスなルーの日本カレー。築地の中栄のインドカレーを少し薄くしてスパイシーにした感じでしょうか。普通の味なのですが中毒性があり、以前はしょっちゅう食べていたのですが、新橋から離れた環境が長くなり、足が遠のいていました。

 新橋にはもう一店、「カルカリ」という老舗店があり、そこのインドカレーとチキンカレーが絶品で私の好きなカレー店の双璧だったのですが、無残にも味が変わってしまいました(スパイシーな薬味、まろやかな甘みが後退してストレートな辛口カレーになりました…それでも未練が残る味です)。虎ノ門にあったスマトラの別店舗も無くなったので、今、新橋周辺でカレーならスマトラしかありません。

 よくデブキャラの方が、カレーや麻婆豆腐のことを飲み物ですと評していますが、ここのカレーも軽くてパクパクと呑むように食べてしまいます。


 相変わらずの味にまずはホッとしました。とにかく口に合うので、あっという間に平らげました。正直、もう一皿いけましたが、満足感十分の余韻を残そうとおかわりは止めておきました。随分久しぶりなのでアレですが、やはり一番好きなカレーと再認識しました。


 すっかり変わってしまったのは店内の風景です。カウンター内で給仕をしていたNHKの加賀美アナウンサー似の怖い(雰囲気の)女性がいなくなり、若い女性2人に変わっていました。

 その怖い女性スタッフは、食べ終わってスプーンを下すと同時に「500円(です)」、「600円(です)」と料金を告げるので、慌ててコップの水を飲んで、財布を探すことになりました。私は対策として、最後の一口をスプーンにのせてから、ゆっくりと水を飲み、財布の金種を確認して、体制を整えてから食事のフィニッシュに臨むようにしていました。

 それというのも昼は非常に混雑していて、食べ終わったらすぐにでも出てほしいという店だったからですが、今回、平日の12時半、私も含めて6人しかお客さんがいませんでした。カウンター20席での入れ替わり立ち代わりから随分と様子が変わってしまいました。以前は昼の2~3時間しか営業しないすごい店でしたが、今回調べたら夜までの営業となっていました。客入りの変化によるものでしょうか。

 因みに味の変わったカルカリの方は今でも満席で繁盛していました。このスマトラのような味はもうウケないのでしょうか。値段は並500円、私はいつもルーの大盛り650円です。


 再開発も噂されるエリアですが、今後も息の長い営業をお願いしたいです。


(怖い女性スタッフはいませんでしたが、あのカウンターで写真を撮る勇気はなかったので外観の写真のみです。)



          

 これがカルカリのインドカレー。この味ならもういいと思いつつも、また行きたくなるような・・・感じです。




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