チョン・キョンファ「東京ライブ 1998年4月 第1夜&第2夜」

              

 チョン・キョンファの有名な1998年東京ライブ。私は10年以上前に秋葉原の石丸電気で購入した海賊盤で聴いてきて、滅茶苦茶に音も良かったので、昨年発売された正規盤はとりあえず保留だったのですが、録音状態への関心とアーティストへの感謝もあり購入することにしました。

 音そのものは、やはりというかほとんど変わりません。それほどに海賊盤(ラジオのエアチェック?)は音の響き、空間の雰囲気がリアルで、こちらの方が弓のタッチの繊細な陰影を捉えているのではないかと思えるほどです。


 G線上のアリア、バッハ無伴奏、クライスラーのアンコールピース以外は初めて聴く曲が多いのですが、迫真の演奏、バイオリンの音にどっぷりと浸かる感じです。特に擦れた低音の響きが魅力的です。


 演奏の魅力は言葉では言い尽くせません。多くの方が書いているように第2夜のシャコンヌ始めどれも素晴らしいのですが、極めつけは第1夜のシューマン・ヴァイオリンソナタ第2番の第3楽章、そして続くG線上のアリア、心が震えます。ピアノのイタマール・ゴランも素晴らしい。ヴァイオリンとピアノのため息交じりの絡み合いに泣けます。



〔海賊盤の解説メモより〕

 後半のシューマンのソナタ第2番は作曲者晩年の発狂寸前の心理が投影されているだけに、演奏家のテクニックやスタイルだけでは十分にまとめきれない。・・・・・コラールというべき第3楽章の咳一つない(もしノイズがあったとすれば、それは当日会場にいた人ならば気づいた筈のあちこちでおこるすすり泣きの)光景とフィナーレの後の長い沈黙、その後に続くいつ果てるともない拍手を聴けば、自らその解答は導き出せるというもの。最後に加えられたG線上のアリアはシューマンの矢尽き刃折れた戦いの後の、崇高な祈りの音楽として演奏されている。



 正規盤でもこの感動を伝えようと3人の評論家・関係者による解説が工夫されていますが、残念ながら言葉を重ねても虚しい感じにおわっています。海賊盤の解説の方がいいのは、ネット・オール評論家時代の宿命でしょうか。



              




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「万豚記」(蒲田)

          

 羽田空港からの帰り道。京急蒲田から東急蒲田駅まで10分近く歩くのですが、商店街に大好きなチェーン店も含めて魅力的な店が並んでいます。普段は自宅に急ぎたい気持ちが強く、寄り道しないのですが、明日から3連休ということもあり、行ってみようという気持ちになりました。


 「万豚記(ワンツーチィ)」です。麺類、チャーハンにはバラエティに富んだ食べてみたいメニューが複数用意されています。横浜トレッサ店で何度か食べたことはあるのですが、店一押しの大餃子を注文するといつも売り切れと断られるので(おそらく大きくて調理に時間がかかるので避けている/トレッサ店は間違いなく不当表示)、一度も食べたことがなく、いつかと思っていました。

 生ビールに大餃子4個(1個120円)を注文。肉の多い餃子です。個人的には野菜系のしっとり、皮モチ系が好きなのですが、この大餃子は肉汁もじゅわっと出て美味しいです。4つならペロッと食べられました。メニューに載っている美味そうな麺類、チャーハンにも惹かれましたが、今回は九州でいろいろ頂いた後なので、控えることにしました。


 蒲田はいつか行こうとリストアップしている課題店の多い街です。機会をみつけて立ち寄り食いしていきたいと思います。




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「宝来軒 別館」(長崎)

          

 長崎で食事というと「宝来軒別館」。おそらく20年以上前から知っていると思うのですが、きっかけが何なのかは思い出せません。昔でいう爆心地公園の脇にある4階建ての大型店舗で本館が新地中華街にある筈なのですが、宝来軒といえば別館で本館のことをあまり聞かない理由も分かりません。長崎では有名な老舗中華です。

 2日目の昼食は、久しぶりに宝来軒にしました。12時30分頃に到着すると待合コーナーに20人近く待っていてこれは時間がかかるかなと思ったのですが、団体2組ですぐに通されて、順番が回ってきました。

 周りで食べていたお客さん(ほぼ観光客風)のほとんどはちゃんぽんか皿うどんを注文していましたが、私はこの店のちゃんぽん、皿うどんは正直、そこまで美味しいとは思わないです。地元長崎でも広く展開するリンガーハットの方が絶対にいい。

 福岡県人に辛子明太子はどれにすればいいかと訊くと「どれも同じ」と返ってくるのと同じで、長崎県人にちゃんぽんはどこが美味いかと訊くと「リンガーハット」あるいは「どこも同じ」と言われると思います(あくまで私の経験上です)。つまり、ちゃんぽん(皿うどん)は、ラーメンなどと比較するとほとんど味に違いのない(安定的に美味い)料理です。下手に老舗に行くよりリンガーハットのようなオーソドックスな味付けのほうが口に合います。

 
 じゃあ、何故に宝来軒に行くかといえば、レタスチャーハンが美味しいからです。チャーハンにレタスを具材として入れるのは長崎以外ではあまり聞かないかもしれませんが、これがしっとり美味いのです。別に威張るような調理法、具材ではないと思いますが、長崎では名物メニューとなっています。

 レタスチャーハンという名のメニューかと思っていましたが、今回、卵とレタス、エビとレタス、ベーコンとレタスなど複数種類があることを知りました。筆頭の「卵とレタスのチャーハン」(800円)を注文しましたが、見た目もきれいだし、さっぱりと美味しい。やはりレタスいいです。


          

 念の為、皿うどん(太麺)も再食してみましたが、うーんというレベルです。皿うどんといえば揚げ麺で知られていますが、長崎では太麺(ちゃんぽん麺)もあり、地元の方は揚げ麺よりちゃんぽん麺を選ぶことが多いです(最近の選択は分からないのですが…)。リンガーハットにも太麺の皿うどんがあり、めちゃ美味で最近頻繁に食べているので、この皿うどんでは満足できません。

 因みに、最近リニューアルされたリンガーハットのニンニクを使わない餃子もすごく美味しくてお気に入りです(残念ながら焼き加減は時間帯と店によりけりです)。その餃子に柚こしょうがケースで付くのですが、私はこの柚こしょうは太麺皿うどんに使っています。テーブルに備え付けの和からしに、オプションで辛み(30円)も注文し、黄(和からし)、緑(柚こしょう)、赤(辛み)の3つの味を少しずつ絡めて食べるのが楽しみ。太麺はランチセット(ちゃんぽん/皿うどん+餃子3こ)にならないので定価購入ですが、満足度は大きいです。


 脱線しましたが、長崎でちゃんぱんか皿うどんを食べたいとき、どこに行けばいいかと訊かれたら、個人的には水餃子と合わせて「老李」か、レタスチャーハンと合わせて「宝来軒別館」です。ただ、私は地元民ではないので、他にいろいろと選択肢はあると思います。




          

 鹿児島から長崎への移動の際、初めて九州新幹線に乗りました。席の配置は2-2で広く、木で作った高級感ある座席でリラックスできました。




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「丸一」(鹿児島)

          

 宿泊は鹿児島市で、まずドーミーインを検索したのですが、1週間切っていたので空室なしでした。ドーミーインがダメならやはり大浴場のあるスーパーホテルかルートインなのですが、この2ホテルは鹿児島市内には展開していません(他のチェーンも含めてニーズが強いのでしょう原発のある川内への展開が多いです)。

 大浴場3ホテルがなければこれまでは東横インなのですが、最近、アパホテルも大浴場があるしいろいろと良いと知人が話していたので調べてみました。アパホテルは全てに大浴場がある訳ではなくて、鹿児島のアパホテルも大浴場はないのですが、部屋は快適そうで、しかも値段が4500円とかなり安いので一度試してみました。

 問題ないです。快適なベッドに、大きな液晶テレビ、立地もいいし、寝るだけならこれで十分です。今後はアパホテルも選択肢に入れようと思います。


 夕食は、前回気に入った「味のとんかつ 丸一」に決めていました。ただ、この前は天文館に近いドーミーインから徒歩数分でしたが、今回は鹿児島中央駅西口のアパホテルから20分近くかかったと思います。東口から路面電車で3駅、乗っても良かったのですが、散歩も兼ねて歩きました。

 今回、改めて認識したのですが、鹿児島の玄関である鹿児島中央駅から繁華街である天文館にかけての賑わいは凄いです。九州内では福岡・博多は別格として、他の県のターミナル駅の寂れようというか、地味な感じとは全然異なります。鹿児島の景気が良いとは聞かないのですがどうしてなんでしょうか。想像ですが、大手企業の九州の支店は福岡にまずあるとして、第2支店を鹿児島に置いているのかもしれません(全然違うかもしれません)。


 鹿児島銀行が1階に入っているビルの地下街にあります。


 上ロース定食(2100円)です。この店もカウンターから調理の様子が見渡せてご主人が集中して料理している雰囲気が伝わってきます。和太鼓を叩くバチのようなぶっとい2本の箸で油と豚肉を加減しています。厨房が広いと美味そうな感じがします。


 やはり今回も少し焦げたような黒い衣です。ただ、中はピンク色したレアな豚肉です。何も浸けずに厚切りの豚肉に噛り付きます。美味い。肉肉しい豚肉です。ロースなのですが、他店のような脂の強い甘みを感じることは少なく、肉のシンプルな旨みです。
 後半、少し濃厚ソースを垂らして口にすると甘みがぐっと引き立ちました。衣の苦みとも調和していい感じです。激ウマ。塩ならどうなんだろうと想像も膨らむのですが、店として拘りがあるのか置いていないので仕方ありません。


 上野、蒲田などにも美味いとんかつありますが、鹿児島にあるこの滋味深い黒豚とんかつもイケます。




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「まるた食堂」(都城)

          

 九州1泊2日の食事記録です。


 初日の昼は宮崎県都城市、チキン南蛮を食べたいと探したところ「まるた食堂」がありました。チキン南蛮は、宮崎空港内のレストランで2~3度、食べたのですが(東京、神奈川でも食べられますが)、すごく美味しくて、地元人気店でのモノはどれだけなんだろう、いつかと思っていました。


          

 同じ「まるた」という地味なスーパーに隣接している食堂です。平日13時すぎに店に着いたのですが、駐車場はほぼ満杯で店の外に8人も並んでいます。こんな田舎(すいません)の平日昼過ぎなのに、本当に人気なんだと驚きです。名前を書いて待つこと暫し。店内はカウンター6席にテーブルが結構な数あるつくりです。



          

 チキン南蛮の店ということではなく、地元で人気の大衆食堂(少しレストラン風)です。一旦気持ちをリセットしてメニューを眺めるのですがいろいろあって絞りにくい感じです。スタッフにどれが人気か訊いてみたところ、「うーん、今日はハーブ牛さがりとホルモン鉄板焼き定食がお勧めなのですが、もう終わってしまったので・・・どれも人気ですが、よくばり定食とか、スペシャル定食もよく出ます」とのこと。ただ、人気品を寄せ集めたようなお得メニューは野暮で避けたい気もして迷っていたところ、他のお客さんを見ると鉄板風が多そうだったので、「鉄板ハーブ牛スライス肉野菜炒め定食」(1050円)にしました。

 改めて目の前の調理風景を眺めると、ご主人とそのお母さんでしょうかを中心に広い厨房の中でスタッフ4~5人がきびきびと動いていて、実に美味そうな雰囲気があります。
 これは間違いない、ああ、こういう店だからこそ、本場本物のチキン南蛮を食べるべきだったんじゃないかと少し後悔です。黒板に人気メニューとして、「スペシャル定食、ハーブ牛さがりとホルモン鉄板焼き定食、チキン南蛮」と書いてありました。

 ところが・・・ジュウジュウと鳴る鉄板で出てきた定食は、激うま。超うまです。ボリュームある牛肉がうまい。メニューに同級生の大形君のところから仕入れているハーブ牛とあります。オイスターソース風の肉野菜炒めの味付けとしてはオーソドックスで口に合うのですが、牛肉が美味いので、全体の満足感が違います。量も多いしこれは人気になります。若い学生風の4人組がうれしそうに行列に並んでいたのも納得です。

(ただ、お替りしてくださいと書いてあるご飯と味噌汁は標準より落ちると感じました。たまたまなのか、ちょっと分かりません。)


 遠いので次回があるかどうか不明ですがチキン南蛮も食べたいです。今日は何を食べようか、迷う街の人気店、こういう食堂がある街は幸せです。




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