映画「善き人のためのソナタ」を観た。国家権力を操るということの怖さを痛感させられる作品だ。ヒューマン・ドラマとしても見応えがあり、久々に良い映画を観た満足感がある。旧東ドイツにおいて反政府分子を監視する冷徹な秘密警察。そのとある役人は、劇作家を盗聴するうちに、心は開かれていく。そして、劇作家がピアノで奏でる善き人のためのソナタを聞き彼は涙する。人として何が正しいことなのかを感じたのだろうか。
クアトロのワインを操るとある男は、新着のワインをチェックしている。昨日も一本のワインを冷徹に監視していた。男はそのワインに出会って心を閉ざすのだった。「美味しい、しかし人には知らせずにそっと隠してしまおうか」。闇から闇へと封印されそうなワインは、レ・マッキオーレ「ボルゲリ・ロッソ2006」なのである。
ベルリンの壁も崩壊した。クアトロの壁も崩壊する運命なのだ。善き人のためのワイン、ボルゲリ・ロッソも多くの人に知らされる日も遠くないのだ。
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