ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

ヒゲダラvsニベ

2008年04月11日 | 魚の話

Photo ヨロイイタチウオ、何ともいかめしい名前だ。魚市場ではヒゲダラと呼ばれている。大型のヒゲダラは格別美味しい。だいたいが高級料亭へ出回ってしまう。クアトロに入荷したヒゲダラも大型で立派なものだ。昨日のクアトロの魚達の中でもひときわ威厳がある。
そんなヒゲダラ様に近づく魚があった。
「ヒゲダラ様ご機嫌はいかがなものでしょう、さすがに旦那は威厳がありますね、そのお髭がなんとも立派だ」
「わたしはヒゲダラ様にあこがれていたんです、お会いできて嬉しくてね、つい声をかけさせていただきました」
ネチネチとおべんちゃらを云っているのは、ニベである。白身の魚で、グチやイシモチの仲間である。身が柔らかく、刺身よりも火を入れて食べると実に美味しい。心の中ではヒゲダラに対抗心を持っているようである。
おべんちゃらを云っているニベは海の中でも、ブツブツとうるさい奴だ。仲間のグチもブツブツとうるさい奴で、名前を愚痴とされている。ニベは身体がベトベトしている様からねネチネチと愛想を振りまく人をニベのようだと云う。それが急に無愛想になると「にべもない」という表現になるのだ。
「ニベさん、私は出番が来たからお先に失礼するよ」
ちょうど、ニベのご愛想に飽きてきたヒゲダラはクアトロのお客様のテーブルへと出かけるのだった。
「そうすか、さいなら」
にべもない挨拶のニベだった。

コメント
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