ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

新着チーズ~スペイン産ブルーチーズ

2017年07月02日 | チーズの話

ブルーチーズと云えばフランス産のロックフォールが有名である。
世界三大ブルーのひとつと呼んだり、このチーズには貴腐ワインで有名なソーテルヌが合うとか、ブルゴーニュの高級ワイン・シャンベルタンが最高だとか云う。
高価なワインがこのチーズにはふさわしいのだと云うことである。
この辺はフランス人の商売上手なところ。
さらに、ロックフォールの誕生秘話も用意されている。
その昔、ロックフォール村の洞窟で休んでいた青年が美しい娘を見つけると、食べかけのチーズとパンを置いて、その娘の尻を追いかけてしまった。
数ヶ月後、その青年が洞窟に戻るとチーズもパンも青カビで覆われている。
しかし、そのチーズを食べてみるととても美味しかったという話だ。
洞窟が青カビチーズの熟成に向いていること、現在でも洞窟内でパンに付いた青カビを培養してチーズに植えつけていること、青年のほのぼのとした情景などを上手に話に盛り込んではいるが、カビの生えたチーズを食べたその青年の気持ちはちょっと分からない。
その点、スペイン人は商売が下手というか、興味を持っていないように思える。
クアトロに入荷したスペイン産ブルーチーズ、カブラレスなどは、とても個性的である。
季節に応じて羊乳と山羊乳と牛乳のブレンドを変え、洞窟内でじっくりと熟成させ、青カビはロックフォールのように人為的に植えつけたりしないで自然発生にまかせる。
出来上がったカブラレスというブルーチーズの味わいはかなり刺激的である。
それこそ、高価なワインにもふさわしい個性である。
それでも、このチーズは大量生産もされず、誕生秘話もなく、高級ワインとの浮いた話もない。
通好みのブルーチーズと呼ばれるにとどまる。
マンチェゴガローチャ、カブラレスのスペイン産チーズ・セットもおすすめです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする