・ 郵便受けのハガキは介護の只中にある友だちから。 朝いちばん、 わざわざ自分で届けにきたものだ。 あえて顔を合わせぬ思いやり、 やさしい手紙には椿の切手が添えられていた。
・ 「受かりました!」 「おじいちゃんの所へしばらく行けなかったけど ごめんなさい…」 改まって すこし大人びて、 受話器のむこうに小学生の声がはずんだ。 瓶の水仙がふわり香る朝 真新しい春のページ。
・ ひさしぶりに髪を切った。 美容室の窓辺にガーベラが活けてある。 その鴇色が春の陽にさり気なく溶けこんで、 ほんのり温かい。 冬ざれよ さようなら、 軽くなった髪に そよ風が抜ける。
窓の枝揺るるは春意動くなり 風生
・ 確定申告を終える。 ていねいな応対だった。