![薄紅の萼もいじらしい](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/3e/205db9738580e8ee1b2694ae17cb29cd.jpg)
風はまだまだ冷たい、 春は戸惑いながらやってくるようだ。 百花の魁。 梅の香に包まれて、 万葉の歌人たちに思いを馳せる。 白梅、紅梅、八重や枝垂れなど雅に咲き乱れて。
大宮梅まつりでめずらしい品種をみつけた。 すでに 花は終わりと見まがうばかり。 吸い寄せられるように近づく。
華やぎをよそに静かな佇まいのこれは…
花弁が退化し、 雌蘂や雄蘂だけが咲く、 茶筅梅(チャセンバイ)というそうだ。 なるほど茶筅の先に見えた。 しかもかなり使いこんでいる。 寂びた色も奥ゆかしいが、 茶目っ気たっぷりに意表をついて驚かせる。 地味な花を見落とさないでよかった… 写真を見ながら心底そう思う。
園内は 白加賀が多い。 45品種650本もあるらしい。 「豊後」 「八重野梅」ヤエノバイ、 青みがかった「月の桂」、紅白染め分けの「春日野」、「遠州糸」。 ずばり 「見驚」ケンキョウなどというのもある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/d4/ebb558fb7e32b68e11b6492486405c5a.jpg)
古今集から
色よりも香こそあはれとおもほゆれ たが袖ふれしやどの梅ぞも よみ人しらず
君ならで誰にか見せむ梅の花 色をも香をもしる人ぞしる 紀友則
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/09/b991d6470b7bf52b5dc8cef940d514d3.jpg)
やはり 紅梅… 逆光の中で 胸が痛むほど美しかった。
陶器祭りも賑わった。 ことしは 湯冷ましをゲット。