若草の上を歩いてゐるとき、
わたしの靴は白い足あとをのこしてゆく、
ほそいすてつき の銀が草でみがかれ、
まるめてぬいだ手ぶくろが宙でをどつて居る、
ああすつぱりといつさいの憂愁をなげだして、
わたしは柔和の羊になりたい、
しっとりとした貴女アナタのくびに手をかけて、
あたらしいあやめおしろいのにほひをかいで居たい、
若草の上をあるいてゐるとき、
わたしは五月の貴公子である。
萩原朔太郎 月に吠える 「五月の貴公子」
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若き詩人は おしゃれな貴公子…
五月 緑のかぜが匂うさわやかな明るい光りのきせつ
蚕豆のみどりに 夏が始まる
青葉曇りに 薔薇の花咲く
ドイツ生まれの ウェスターランド