赤もいろいろなアカがあるが、チェリーセージの赤が好きで2種類植えてある。
青もいろいろあるが、ブルーセージの青に惹かれて5株植えたら繁り放題になった。
摘んでも刈っても引き抜いても、繁るのである。
バラの木を覆い隠して、ロウバイの高さを越えて、フェンスを昇っていく。
どこへ行くのだよ、セージ君。いや、セージちゃんか?
否、セージ様か?

そろそろ間引きしようと思うのでその前に激写して、この夏の思い出に。
イギリスの庭園が好きなのは種別で区切ったりしないで混在させてあるところだ。
そのほうが自然に近く見える。一つの花だけが個性を主張するのではなく全体の
雰囲気を楽しむ。
それにしても、ということで刈り取ることにした。
全体から少しはみ出しすぎて、ブルーセージが征服欲を発揮しすぎているのが楽しくない。
なんだか不安をそそるし、バラがかわいそうなので間引きする。
しかし、間引きなんて生易しいことではすぐにまた繁るのである。
夏も終わったしそう長くはない命、と思いきや、セージは強いので寒くなるまで
咲いている。
真冬に花がない頃、この庭に目をやると赤いチェリー色が咲いていてうれしい。
だからなくてはならない存在ではあるが。
セージはシソ科である。
昨日、遠来の人からシソジュースをいただいた。
手作りのジュースは鮮烈な濃い紫色で甘酸っぱい味がした。
20年来の知人は長い歳月のあいだに幾度か贈り物をしてくれたけど、今回が一番うれしかった。
重い液体を遠くから持ち運んできてくれたという彼女に一番似合わないことだったから。
都心でスーツを着て働き、稼ぎのいいことが身上、表向きも当人もそう振る舞っていた。
ほんとうはそういう人ではないことを知っていたけど、だけど当人がそのことを隠しているうちは、
ウワベの親しみに甘んじるしかないのだった。
ずっしりと重い気持ちが籠っていて、おろそかには受け取れないものをいただいて
どう暮らしているか、何を思っているか、よく伝わってきた。
明るく地道に行こうぜ、こちらも元気にやっていくよ、どうもありがとう。