想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

夕暮れ、自由時間

2009-11-07 16:46:45 | Weblog
帰りみち、夕陽に染まる山の端を鳥がゆくのが見えた。
車を止めて、カメラを構えた。
東京にも夕陽に染まる空はある。
けれど、ここで味わう開放感は格別だ。

この場所に帰ってくるのがあたりまえになって、でも
いつでも見れるとは限らないと以前も今も変わらず思う。
空の色は見るたびに違う。
夕陽をつかまえるのは、それはそれは根気のいることらしい。
完璧な夕陽、日没の瞬間を見たのは数えるほどしかない。

いつでもそこにあると思えば、ま、いいかって通りすぎる。
明日も夕暮れはあるから、って信じているのだ。
たしかに明日、太陽は西に沈むだろうけれど、その眼で必ず
見ることができるといえようか。
明日のことも一瞬先のこともわからない。
だから、あっという間につるべ落としのように消える赤い光を
見逃さないように。



二十代から三十代前半くらいまで夕暮れはビルの窓からたまに
見るくらいで、夕暮れの空気を味わうことはできなかった。
仕事を終えて外に出るころには、人工の明りで照らされた街路。
闇でもなく陽の光でもないところを歩いて帰った。
だから、こうして夕暮れを眺めていると今でも嬉しくなる。
夕暮れの自由時間が好きである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする