想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

シルエット・ロマン図

2009-11-21 12:00:38 | 
落ち葉が積もって、歩くたびにザクザク音がする。
寄り添うふたりの影が川面に映っている。ラブラブな影絵である。
でも実際にはベイビーが早く歩けよとそばで催促して手でつついている。
それは映らなくて幸い。



朝方の気温は0度。陽が昇ってきたので少しは上昇したかもしれないが寒い。
あたりの景色もこの通り、木はすっかり葉を落として見通しがよくなった。
初雪もすぐだろうから、明日あたりはタイヤ交換へ行っておかねば。
冬仕度がまだまだあるのでちょっと外仕事もやらねば。

ねばねばの事がいくつかあるけど、ここでの「ねばならぬ」はいやいやでは
ないので苦にならない。すべては冬を越し新しき春を迎えるためである。
自主的ねばねばは楽しいのである。

さてさて、ニュースはあいもかわらず暗い。
「暴力」と「退屈」で死の淵をぶらぶら徘徊することしか知らない若者に
本当に楽しいことを教えてあげられないものかと思うばかりである。
すべての子に親があるものを、親もまた誰かの子であるものを、反面教師
だって親であるものを。

[乳と卵]で痛快な出世を果たした川上未映子の初長編「ヘヴン」を読んだ。
いじめの告発書、それをできるだけ美しい表現を保ちながら綴られたレポート
のようであった。苛めの横行する世代と近い作者ならではの本領発揮かとも
思うし、いや作家だから想像力のたまものであろうけれども惨いことを美しく
書いたことでタイトルを裏切っていないのであった。

ラストの美しい光景、ということであるけれどもわたしはそこに希望を見出せず
かえって悲惨であった。「発見した感覚」を味わったことが確かにあるが。
そこに作者の意図を測ることができず、もどかしい気もしたのであった。
だがそれにもまして心に残る作品にはちがいないと思う。
手垢のついていない感触がいいのかもしれないし、この人の外見や言動とは違う
けなげな感じが伝わってくるのであった。
小説作品というのは存外、意図以外の人間性が滲むのであるから。

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朝焼け、お得な気分

2009-11-21 08:14:55 | Weblog
午前中から来客予定なので仕度の遅いうさこは用心のため早起きした。
早起きは三文の徳、三文はいくらぐらいなのか知らんが、洗面所に
差し込む光で外を見ると、あれま、朝焼けであるぞ。

早起きではなくて、夜更かしのついでに見る明け方の空はよく見るが
ちょうどいい朝焼けを見るのは珍しいので三文以上の得した気分である。



ベイビーを誘って表に出た。ベイビーも親同様に朝寝坊の日々だから
なんだ、なんだ、まだシッコには早いぞという顔だったが、外に出る
のはやぶさかではない。
すぐに走り出した。
樹々が赤く染まっている。夕焼けどきとはまた違った輝きだ。
朝の静けさは、なにかこう力がじわじわと湧いてくる感じである。
で、うさこにも力が湧いてくるかどうかわからんが、なにか一人前な
感じがしてうれしかったのであった。
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