朝方目覚めてすぐに窓の障子を開けて外を見る。
ここにいると天気が一番気になるからだけど、この季節は楽しみがあって。
それは「雪」。
この日も、あっと叫んで、ゆき~と言ってしまった。
‥‥、ちがいました、霜柱でした。
十センチほどもある霜が立っていて、一面銀色だったので雪がうっすらと積もったみたいでした。
すぐに融けるくらいの雪がゆうべのうちに積もったのかと、期待したんだけれどハズレでした。
でもまだ寒いのにからだが慣れていないから、もうちょっと待ってたいなあ。
陽がさすときは、ここに寝転んで空を見る。
ゆうべはこのブログはちょっとしたにぎわいだったようだ。
検索からやってきたお客さんたち、富士丸君ファンの方々なのだろう。
みんなさみしくなったんだな、そして気にしてるんだな、わたしも時々思い出す。
ブログでしか会ったことのない犬だったけど。
いろいろなことを複雑に思うのである。
昨日は久方ぶりの友人に会って、「動物は歯に気をつけていると長生きしますよ」と
教えてくれた。「だから犬も同じね、だいじょうぶ、歯が命です」とアメリカ人の彼は
言った。すごく確信に満ちた話し方であったので、なんだかだいじょうぶな気がして
単純に励まされたのであった。
マジ、単純なわたし。
ベイビーがそばにきて、首を二三回振っている。ん? と思ってゴロンチョをさせて
耳の中を見た。また悪くなっていたので、治療薬をさしてマッサージ。
動物は人が倍も三倍も四倍も気をつけていなければと思う。
声に出して訴えてはこないから、こちらからいつもみつめていなければわからない。
みつめていると必ずサインがあって、気づいたときにスマナイ気持ちになる。
薬をさしたあとのベイビーは、わかった?という顔をしている。
はい、わかりました、すんませんねえと言ってゴロンチョのままおなかもゴシゴシとマッサージ。
何年経っても「彼のことはわかっている」とは言えないのである。
富士丸君と山の家で暮らせなかった富士丸父ちゃんのさみしさを、山の木立の下を歩きながら思った。