想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

ふしぎな水はいらんかね

2010-07-08 17:01:34 | Weblog

梅雨時期、犬はかけまわれないから迷惑である。
夏の雨ならサーっと降って上がるから遊べるけど、昼のあいだじゅうじめじめと
降り続いて、いい加減寝そべるのも飽きてくるようだ。

それでもおとなしく待っている親分はめったに吠えない性質なんだが、散歩の
したくを始めると、すばやく立ち上がって堰を切ったように、素っ頓狂な大音量
で吠えるのである。
い、い、いきやしょうぜーーー、と力みすぎ、何言ってんの? と手で制止され、
それを避けようとしたはずみでエズイてしまうアホである。
ヘンな声になったのが自分でわかるのか、犬も照れる。照れ隠しのために
すり寄って親愛の情でごまかそうとしているのがミエミエすぎてさらにヘン。

最近はプーちゃんではなくプージィと呼んでいる。あまりお気に召さないのか
知らんふりしている。お、おまえだよ、そこのプージィ、と言っても顔も向けない。
改めてプーちゃんと言うと、な~に?と流し眼をくれる。
決して無駄吠えはしないのに、態度で示す饒舌な犬である。
彼が犬語であって幸いだ。

母が「ふしぎな水」を送ってあげようかと電話してきた。
即座にいらんいらん、そんなものいらんとお断りしたのでがっくりしているのが
電話越しに伝わってきた。
カメにどういうふうに言えばよかったのだろうかと相談したら、
「こころをおくれ、こころしかいらんばいと言ってやれ。そんならどうすればいい
んかい、と聞いてきたら勉強しなっせと言ってやれ、以上」と言われた。
この通りのことをすぐに電話して言ったら、ガハハハハハ、オモシローイと
大受けだった。カメの話なら即効、素直に聞く母である。

そこで、ふしぎな水とはいかなるものか詳細を聞いたら、水素水らしい。
コレステロールが下がったとか、身体のサビ落とし、とかいいことがたくさん
書いてあるパンフレットを読み上げて、だからあんたにいいかと思ってと言う。

「身体に入るものはよく考えて採るようにしてるからだいじょうぶだよ、それに
山の水はとてもおいしいし、天然成分いっぱいだしね」と答えた。
おまけに水だけで健康なるというのは誇大広告だよと付け加えて。
「あ、そうか、その山の水はそうだったね、母さんが育った山と同じ、甘い水ね?」
そうそう甘い水だよ、と言うと、雑木がいっぱいあるからなんだねえと懐かしそうに
古里の山の話を、湧き水場で涼んだ、こどもだった頃の話を始めた。
ふしぎな水はとりあえずどうでもよくなったようで、ほっとした。

親分は甘い水で炊いた人参と舞茸のスープで奇跡を狙っています。
なんとなくな効果、劇的変化はないけど、なんとなく元気なら成功ですから。






















コメント
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