今年も江戸時代から伝承し続けている技法で夏の土用蕎麦が食べられる時期が来ました
昨年もご紹介していますが江戸時代に諏訪の高島藩から将軍家に献上されていた
「寒晒しそば」を復元した八ヶ岳周辺の蕎麦切り会加盟店だけが扱う期間限定の蕎麦です
秋に収穫した蕎麦の実を大寒の最も気温の下がる時期に清流に10日間ほど晒し
引き揚げた後 八ヶ岳の寒風が吹き下ろす雪原に30日間晒し
ゆっくり水分を飛ばして乾燥させ その後 夏まで土蔵で保管する事で熟成させて
土用に完成した蕎麦の実で蕎麦打ちをするという
実に気の遠くなる様な手間のかかった蕎麦です
蕎麦の実を寒晒しする事でアクが抜け甘みを増して風味が熟成された蕎麦になります
待つこと数分 供された蕎麦の色はまるで新蕎麦の様に薄い緑色を帯びて透き通って見えます
食感はモチモチして滑らかで10割そばとは思えない舌ざわりです
蓼科高原に通ずる人気蕎麦店では この蕎麦を賞味しようとする遠来の人々で
土日は長~い行列が出来ています
私は地元ですから夜の部で そう待つこと無く賞味出来ました
写真のメニューは「寒晒し蕎麦セット」で蕎麦のシホンケーキのデザートや
夏野菜のてんぷら・蕎麦豆腐 漬物(ズッキーニの粕漬け)が付いていました
この寒晒し蕎麦は7月末日頃まで(寒晒し蕎麦の実が無くなる迄)賞味出来ます
寒晒蕎麦の工程を判り易く表にしてみました
寒晒し蕎麦 蕎麦の実を袋に詰めて 清流に吊るす準備を行っている | |
大寒から立春までの間 寒中の清流に10日間程浸し寒晒し
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川から引き上げ雪原で天日干しする 約1ヶ月天日干して水分を蒸発した後 夏まで蔵の中で保存し熟成させる |