元日の昼下がり、大阪でも雪が舞いました。1時間ほど経った頃、街に子供たちの楽しそうな声が響いたので窓を開けてみると、なんと5センチも積もっていました。孫君たちがお昼寝から目覚めた頃には10センチにもなっていました。 さっそく孫君たちを庭に誘い出して雪遊びをしました。都会地の雪には珍しく真綿のような柔らかな雪だったので、両手で掬って家の中に入りました。お皿の上に乗せて、自己流「雪うさぎ」を作りました。耳は笹の葉っぱ、目はナンテンの実です。遠い遠い昔、母親が作ってくれたほど上手には作れませんでしたが、孫君たちは興味津々でした。
という次第で、2015年の穏やかなお正月を迎えました。初詣に行った地元の不動尊で引いた御籤は3年ぶりに「大吉」でした。
「朝日かげ たヾさす 庭の 松が枝に 千代よぶ 鶴の こえの のどけき (天の御助を受け 諸々の災去りて喜びあり 心を正直に 行いを慎み 貧者を慈しみ 弱きを助け 信心怠りなければ益々思うまゝになります 色に溺れ酒に狂えば凶なり)」。
新しい年に幸先の良いスタートを切れそうですが、「色に溺れ酒に狂えば凶なり」と戒めの言葉も(笑)。ご用心ご用心。過去11年間のブログを遡ってみると、大吉が4回、中吉が2回、小吉が3回、吉が2回でした。それなりの波があるのも事実です。奢りを戒め自らの歩むべき道を考えるという意味で大切にしたいものです。
今年は家内と次男君の3人で、地元の不動尊と氏神様にお参りしたあと、京都・八坂神社と知恩院にまで足を伸ばしました。最近、知恩院にお参りすると、肩の力が抜けて妙に心穏やかになるのはなぜでしょうか。ほっとひと息です。 そうそう、年末の29日、大阪フェスティバルホールで大阪フィルハーモニー管弦楽団の「第9シンフォニーの夕べ」を聴きました。前列から3列目、指揮者の斜め後ろと少し前過ぎましたが、指揮者ユベール・スダーンさんの熱演で1年間を振り返るに相応しい時間を楽しむことができました。
そして夜の8時半、コンサートの余韻を胸に、夜の中之島・堂島川沿いを歩いて淀屋橋駅に向かいました。今年は大阪都構想が大きな政治的テーマになる大阪市庁舎の正面壁面にはイルミネーションが輝き、LEDの光が御堂筋を照らしていました。
この日いただいたパンフレットの中に楽しい演目を見つけました。信時潔作曲、北原白秋作詞の交響曲「海道東征」です。2015年は戦後70年、信時潔没後50年を迎えます。信時潔については、仕事の関係で知ることになり、かつてお孫さんの裕子さんに一度だけお目にかかったことがあります。「海ゆかば」の作曲で知られ、それが誤解を招いているところなきにしもあらずですが、戦後70年を迎えた今年、歴史修正主義が蠢くなかで改めて戦争と平和を考える時宜を得た企画です。11月20日、ザ・シンフォニーホール。仕事が入らないことを祈るばかりです。
そして、もうひとつは「祝典大狂言会2015」。こちらは4月25日にフェスティバルホールで開かれます。演目は「靭猿」「川上」「歌仙」。こちらも予定に入れておきましょう。
さてさて、1週間ゆったりと過ごした年末年始休暇も、今日でおしまいです。「これ何て言うの?」とあどけなく尋ねる2歳の孫次男君の言葉への好奇心に人間の成長を感じながら、一方では最近物忘れがひどくなりスマホ電子備忘録への依存度が高まる初老の私がいます。休暇最後の一日は備忘録を整理して、新しい年をゆっくりと、しかし強かに歩み出すことにいたしましょう。