心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

スローライフ到来の予感

2020-04-25 14:21:37 | Weblog

 今日は朝からお天気も良く、散歩の道すがら鶯の鳴き声を楽しみ気持ちの良い汗をかきました。”毎日サンデー”で曜日感覚が怪しくなっていますが、それでも土曜日はブログ更新の日と決めています。これも細やかなメリハリかも......。カラヤン指揮でリヒャルト・シュトラウスの楽劇「ばらの騎士」を聴きながらのブログ更新です。
 まず先に報告したいこと。つい2週間前のブログでご紹介したばかりの皆川達夫さんが19日、お亡くなりになりました。92歳でした。何気なく朝刊に目を通していて訃報に気づきました。皆川さんの声を最後に聴いたのは3月末の日曜日の朝、NHKラジオ第1のクラシック音楽番組『音楽の泉』でした。番組の最後に、長年務めてきた解説役を降板する旨のご挨拶でした。ご自身の健康を配慮されてのご判断だったのだろうと改めて思いました。ご冥福をお祈りします。
 そんな週の半ば、久しぶりに事務所に行ってきました。当面の課題解決のためにどうしても対面での打合せが必要だったからです。バスは避けて、歩く。電車は各駅停車に乗る。マスクをする。携帯用のアルコール消毒液を鞄に忍ばせる。完全防備でのお出かけでした。少し早く最寄り駅に到着したので、マクドでコーヒーを買い、大川沿いのテラスで一服。例年だと造幣局の通り抜けで多くの花見客が訪れる大川沿いは、ひっそりとしていました。
 外出自粛生活が続くなか、午前と午後にお散歩を欠かさない日々が続きます。我が家のお買いものは近所のスーパーと宅配を併用していますが、ここにきて宅配が主流になっています。きょうは久しぶりにお昼前にスーパーに行ってきました。その途中、小さな公園の桜が満開でした。地面に落ちていた桜の花を集めて持って帰り、お皿の上に浮かべました。今夜は美味しいお酒をいただきながらお花見気分を味わうことにいたしましょう(笑)。
 我が奥様はお暇かと思いきや、押入れの中から和紙の端切れを持ち出してきて何やら作り始めました。出来たのは、カード入れと紙マスク。器用です。たくさん作ってどうするの?と聞くと、お知り合いの方におすそ分けするのだとか。
 一方の私は、お散歩の途中で覗いた骨董品店で面白いものをみつけました。ニッパー犬の置物です。ビクター犬とも言われます。これまで四天王寺や東寺の弘法市で比較的小さなものを連れて帰っていますが、この日出会ったのは高さ20センチほどの比較的大きなニッパー君です。三千円と驚くほどの安値でした(笑)。
 ニッパー犬については、ずいぶん以前にこのブログで紹介したことがあります。絵画「His Master's Voice」のモデルになったワン君です。日本ビクターのトレードマーク。かつてLPレコード盤でもよく見かけました。
 ウィキペディアによれば、ニッパー犬の最初の飼い主はイギリスの風景画家マーク・ヘンリー・バロウドでした。いつも客の脚を噛もうとするので"Nipper"(nip=噛む、はさむ)と名づけられたのだそうです。マークが病死したあと、ニッパーを引き取った弟の画家フランシス・バロウドが、亡き飼い主であるマークの声が聴こえる蓄音機を不思議そうに覗き込むニッパーの姿を描いたとあります。なにか悲しいお話しです。
 ともあれ、ゆったりまったりの自粛生活が過ぎていきます。これまで前のめりになっていた心と身体にブレーキがかかり、右往左往している人の姿が散見されます........。いやいや否定的に考えるのはよしましょう。夢見ていた「スローライフ」時代の到来です。四国の山奥の遍路道を独りさ迷い歩いているとき、ふと思うことがありました。急かされるように働いてきた私たちの生き仕方の見直しが、いま、求められているかも。仮想通貨が席捲する巨大になり過ぎた経済社会。ひとつの理論では制御不能になりつつある時代環境。コロナウイルスを逆手にとって、ここいらでパラダイムシフトを試みるのも、ひとつの選択肢かもしれません。

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