心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

ステッキ片手にお能の世界を「歩く」

2025-02-28 15:04:58 | Weblog

 きょうは午前中、大腸癌の精密検査でした。8年前は「要観察」、5年前はポリープ切除のため「入院」、そして5年後の今回が3回目の検査になりますが、どうやら再度入院してポリープを取ることになりそうです。それにしても自分の腸内を見る機会は滅多にありません。なんとも美しい世界でした。七十有余年の間、私の身体をしっかり守ってくれたことに感謝です。
 ところで、先週のブログで「アリス・紗良・オット」の文字にリンクしたYouTubeを、更新後に最新バージョンに変更しています。アリスご本人から今年6月の来日公演についてご紹介があったからです。私も、6月28日関西で唯一公演のある兵庫県立芸術文化センター(西宮市)のチケットを買い求めました。きのうの毎日新聞には「ピアニスト、アリス=紗良・オットさんが伝える未知のノクターン」と題する記事が載っていました。少しずつ機運が盛り上がりつつあります。

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 あいにく小雨舞うお天気ですが、先週末から続いた寒波も峠を越えて、カレンダーを捲ると春3月、草木が芽吹き始める季節を迎えています。右足の症状もだいぶ良くなってきました。痛め止めの薬とサポーター、そして何よりもせんねん灸が効いています。膝眼、梁丘、足三里、大腸兪、承山、崑崙....など、素人なりに何となくツボがわかってきました。さあて、来週の整形外科診断時にどんな処方があるのでしょう。
 最近、ステッキをもって歩くようになって、私と同じようにステッキを利用している方が意外に多いのに気づきます。こうした方々への社会の温かい配慮にも改めて気づきました。これまで意識することのなかったバス停の椅子や電車の優先座席。しばらく歩いていると右足に痛みや痺れが出てきます。そんなとき、少し座ることで元気になります。自然に席を譲ってくれる若い方も多く、いつも感謝しています。ステッキの扱い方にも慣れてきました。比較的楽に階段の上がり降りができるようになりましたが、ついつい駅構内ではエスカレーターやエレベーターを探してしまいます。この歳になると、焦らず気長にお付き合いをしていくしかありません。

 いま、謡曲同好会では「東北」(とうぼく)を習っています。舞台は京都東山にある東北院です。そこには和泉式部お手植えの「軒端の梅」があります。例年なら2月半ばには咲き始めていますが、今年は開花が遅れ、先週末になってやっと「軒端の梅が一輪咲きました」とのお知らせがありました。来週、謡曲仲間とお弁当を持って出かけます。

 先日講座帰りに、和泉式部が初代住職を務めた誠心院にお参りしてきました。観光客で賑わう新京極通に面した小さな門から入ると真正面に本堂があり、その裏に和泉式部の墓所があります。近代的なビルに囲まれた狭い境内のベンチに腰掛けていると、修学旅行生たちが三々五々やって来ては大はしゃぎで写真を撮り合っていました。
 その帰り、丸善ジュンク堂書店のギャラリーで開催中の「河原町地下古本市」(2/7~3/4)に立ち寄り、天野文雄先生の「現代能楽講義~能と狂言の魅力と歴史についての十講」(大阪大学出版会)と、白洲正子さんの「能の物語」(講談社学芸文庫)を連れて帰りました。
 能楽講座の受講手続きも準備万端です。ひとつは大阪大学の懐徳堂古典講座「変容する能」です。前期はオンライン講座で「能の歴史が動いたその時」(宮本圭造・法政大学教授=全4回)、後期は対面講座で「世阿弥から禅竹へ」(天野文雄・大阪大学名誉教授=全4回)です。もうひとつは住吉隣保事業推進センターが開講している女性能楽師・山下あさの先生の「わかりやすい能と古典文学」です。先日の講座日に4月から6月の講座(全3回)を申し込みました。
 若い頃から、免疫学者の多田富雄さん、随筆家の白洲正子さん、哲学者の梅原猛さん、社会学者の鶴見和子さんらの影響を受けて来た不思議なお能の世界。この歳になって本格的にのめり込みつつあります。

 またまた長くなってしまいましたが、きのうの水彩画教室で「左右内の一本杉」がほぼ完成しました。次のテーマはJR木次線の雪景色(写真)です。こちらは雪の白をベースにした水墨画のような雰囲気なので、初心者の私に描けるかどうか???。少し大きなF6画用紙を使います。当たって砕けろといったところでしょうか(笑)。
 なお、昨年12月27日付記事に番外編でお知らせした「窮地のJR木次線、出雲坂根に漫画で力を!木次線応援コミックス制作へ」と題するクラウドファンディング(目標額300万円)の件、1月31日に締め切られた結果、なんと338人から目標額のおよそ2倍、5,771,000円もの支援があった旨の報告がありました。

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