心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

夏の終わりに

2005-09-11 17:06:52 | Weblog
 まだまだ残暑が続くこの頃ですが、それでも朝夕の涼しさは既に秋の気配を感じさせます。お隣の庭に咲く芙蓉(ふよう)の花、哀調を帯びたヒグラシの鳴き声が、夏の終わりをつげています。そんな風情に浸っている夕暮れ時、選挙カーが街にやってくる。ふと、現実の世界に引き戻されてしまう。これもこの夏の特徴なのでしょう。日本全国、いろいろな意味で暑い夏でした。きょうは家内と息子と愛犬ゴンタと一緒に投票場に行きました。
 前回ご紹介した作曲家・信時潔のこと。なぜか今週も引きずっています。CD「海ゆかば」のメロディーが頭から離れない。政治と音楽、戦争と平和...。わたしが教わってきた近代日本史は、戦争のところで不連続に繋がっています。そこで日本の精神文化が途切れている。国を愛するなんて言えば、なにか政治的傾向の烙印を押されそうです。大学で政治学を学んだ「非政治的人間」にとって何とも悩ましいテーマです。自分たちに都合の悪いこと、思い出したくないことには蓋をして、とにかく前を向いて突っ走ってきた昭和という時代が過ぎて、しかし今、浮き草のような存在に不安を抱く...。
 ネットを散策していて、「信時潔研究ガイド」というサイトに出会いました。信時のお孫さんが管理されています。そこで、『木の葉集~信時潔ピアノ曲全集』(ピアノ:花岡千春)というCDがあるのを知りました。さっそくamazonに注文したら今朝届きました。いま、そのCDを聴きながら綴っています。信時潔の音楽作品に触れることで、彼の心を感じたい。
 と、他愛ない文章を綴っていたら、さきほど松江の叔父さんからお電話をいただきました。90歳を過ぎてなお地域活動に忙しい叔父が、近く本を出版するので送呈したいと。ひ孫ができたとも。元気な出雲弁を懐かしく聞きながら、古き良き時代を思い出したものです。

信時潔研究ガイド http://home.netyou.jp/ff/nobu/index.html
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