6月は15冊でした。なかなか読書ペースが上がりません。
◆同志少女よ、敵を撃て(逢坂冬馬)
ナチに母や村人を皆殺しにされた少女が、復讐のために凄腕のスナイパーとなって敵兵を次々と射殺する。戦争の悲惨さ、不条理さと特殊環境下での女性兵同士の友情をあますところなく描きつつ、戦記物としての描写も迫力満点。
本屋大賞受賞は伊達じゃない。むしろなぜ直木賞取れなかったのか、実績のない新人の傑作が不運にも「黒 . . . 本文を読む
5月は16冊読みました。
21年のカドフェス本2冊を読了、22年のフェア開始前に何とか全冊読破できました。
◆巷説百物語 (京極夏彦)
御行の又市、山猫回しのおぎん、事触れの治平らが活躍する、一見怪異譚のようで実は種も仕掛けもある短編連作ミステリー。後巷説百物語(既読)と同時期の話みたいですね。ミステリーではありますが、犯人というか当事者はかなり病んだ変態ぞろいで、気持ち悪いことは気持ち悪い。
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4月は、16作品17冊、読みました。
まずは、第166回芥川賞、直木賞受賞作と候補作、本屋大賞ノミネート作等、単行本の小説を6作品。
◆ブラックボックス(砂川文次)
コロナ禍の社会における非正規労働者の悲哀みたいな書評もあったが、私には、行き当たりばったりに生きている切れやすい若者の自業自得のお話のように読めてしまった。今に限らず、こういう人はいつの時代でも生きにくいはず、サクマくん、衝動的に暴 . . . 本文を読む
久々に月20冊読みました。
まずは新刊を中心に単行本が5冊。
◆臨床の砦(夏川 草介)
「神様もカルテ」の夏川草介さんの描くとある地方都市のコロナ病棟の現実、限りなくノンフィクションに近い小説。
時期はワクチン接種も始まっていない中で第三波が到来した21年1月。この頃の陽性者数は今の1割程度、でも死者数は約半分、高い確率で死に至るこの病に対する恐怖と偏見が今より強くあった。
未体験の事態に行政が . . . 本文を読む
14冊読みました。
昨年の「カドフェス」「ナツイチ」の積読本を崩し中で、あわせて9冊。
◆砂の家 (堂場瞬一・角川文庫)
母と妹を殺害し殺人犯として収監された父、幼くして家族を失い、殺人犯の息子として辛酸をなめた兄弟、兄の健人は大手外食会社に就職、弟の正俊は道を踏み外し兄を逆恨みする。砂の家=崩壊してしまった家族か。
やがて健人の会社に脅迫メールが届く。解決役となった健人は、恩人である社長と . . . 本文を読む
1月は13冊読みました。
単行本を7冊。
◆大鞠家殺人事件(芦辺 拓)
昨年末の本格ミステリ6位、でもこのミスでは30位にも入らなかった作品。さぞかしマニアックな作品?と思って読み始めたが、割と面白くすらすら読めました。
昨年の「鶴屋南北の殺人」同様、舞台設定が特殊、大阪商人の文化が色濃く残る明治末期から大戦までの船場の、化粧品で富を築いた大鞠家で起こる奇怪な連続殺人事件。因習に捕らわれた家に、長 . . . 本文を読む
読書欲大幅減衰中で今月も読んだ本は6冊のみ。💦
でも、何とか今年の「新潮文庫の100冊」の残り2冊を読了、これにて全冊読破を達成しました。
◆インスマスの影 :クトゥルー神話傑作選 (H・P・ラヴクラフト)
地球外生命体、海底人?人ならざる者の迫りくる恐怖、ずいぶん前に書かれたものなのですね。でもあまり古い感じはしなかった。昔「這いよれニャル子さん」なるアニメ(内容はこの本と似ても似つかない)が . . . 本文を読む
10月は読んだ冊数わずかに6冊。こんなに本を読まなかった月って、多分10年ぶりとかだと思う。
その中でも、なんとか完読を目指している【新潮文庫の100冊2021】を4冊、残すところあと2冊。
◆さぶ (山本 周五郎)
「さぶ」のタイトルとは裏腹に、さぶの友人の栄治の受難と成長の物語。変わりゆく栄治の姿に、一時は距離を置きながらも、北極星のように定点にさぶがいる。だからこの小説のタイトルが「さぶ」 . . . 本文を読む
9月は16冊読みました。まあまあ、でしょうか。
まずは話題作を中心に現代小説を8冊。
◆テスカトリポカ(佐藤 究)
メキシコの麻薬密売組織のボス・バルミロは、兄弟家族を対抗組織に殺され、命からがらの逃亡の果てに日本に流れつく。一方メキシコ人密入国者の母と暴力団員の父を殺害したコシモは少年院に。臓器売買で力をつけ、親族を殺した組織への復讐を目論むバルミロと少年院を出所したが行く当てのないコシモの人 . . . 本文を読む
オリンピック開催期間中は全く本を読んでいなかったので、、、8月は12冊。
各社の文庫本フェアですが、「新潮文庫の100冊」から2冊。
◆ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー (ブレイディみかこ)
移民と言う日本人にはなかなかに実感が沸きにくい問題を抱えた英国の複雑な格差構造と、それに真摯に向き合う教育現場の実態。 それを日本人の母とそのハーフの子供の視点で描いた良作。
日本も、一 . . . 本文を読む