キャンプサイトは海岸線の新市街の山手にありキャンパー停車地もテラス状になっている。
裏の岩山を半周するようにフカー川(Rio Jucar)が流れ、川と岩山の間に旧市街の家々がひしめき合っている。
滞在2日目にキャンプサイトから歩いて旧市街を見物に行った。旧市街まで2-3km、静まり返っているホテル群の道を歩いてゆく。
旧市街は碁盤の目のようになっていて、地図が見やすい。大きなスーパーマーケットの中も一応見て回り、新鮮な魚がたくさん並んでいるのを見て、ぜひ買いたいものだと思ったが歩き回るのに魚は持ち歩けない。
スーパーの前にはイスラム系の女性の物乞いがいる。ヨーロッパの町(ロンドンも含む)でこうして物乞いしている女性のほとんどが、ルーマニアのジプシーか旧ユーゴスラヴィアのイスラム系の人たちで、彼らには意地や誇りがないものかしらといつも思う。
またスペインの各地道路わきには売春婦が立っている。ところによっては椅子を持ってきて座っている女性たちが約100メータおきに並んで顧客の停まるのを待っている。
この女性たちも外国を流れ歩く誇りなき人たちに違いない。
町のスクエアはヤシの木が高く生えていて、ほとんど赤く見えるデイツが鈴なり。もう実も熟れてきていて、小鳥がつついている。木の下にはたぶんパラキーツ(小型のオオム)につつかれて落ちたデイツがおいしそう。こんな時にはオオムがうらやましい。
町の狭い道を歩き回り一軒の八百屋さんで柿を買った。2㎏で1.99ユーロ、2㎏で大きなのが6個もあった。ほかの野菜マーケットでは1㎏が1.99ユーロでとっても嬉しい。
町の中ほどからお城へ登るジグザグ道が始まる、初めは両脇がびっしりくっついた民家で急斜面、中ほどからは町のすべてが見下ろせるほど明るく開け、庭のない小さな白い家屋が重なり合うように連なっているのがよく見える。
サンチュアリーノ城(Castillo Santuarino)とその付属の博物館は2時に閉まる。私たちがたどり着いたのが2時5分前で、ちょうど城から出てきた英国人夫妻がなかなか見どころのあるお城だと教えてくれたが、すぐに閉まった。
城の周囲を歩き回ったが高い城壁に囲まれたこの城は内部を垣間見ることさえかなわず、あきらめて自動車道をたどってサイトへ帰ってきた。この自動車道があまりに長くて1時間もかかってしまった。