アンドラへ(To Andorra)
カホアーの郊外・ルゼックへ行くのに、カーナビに頼ったばかりに、大きなメインの道路から離れて狭い田舎道を走り回った。その最たるものがキャンプサイトにあと1kmもない山道、曲がりくねった狭い道を亭主は恐る恐るで降りてゆくのだが、その景色の素晴らしいこと、私一人がシャッターを切りながら大喜びしていた。
この辺りはワイン製造の農家らしい。あたりの空気からしてワインの甘い香りがただよう。
翌早朝、巨大なタンクローリーが各農家のワインを集めに来ていた。
先回の北欧の旅でも書いたように私たちは旅行保険をかけない。健康に関してはEU圏内では救急の医療費は無料だし、長期になる旅行保険はほとんど探すのも無理、若者が1年も海外旅行しても保険料は私たちの1か月分くらいのもの。英国でも75歳までは1,2か月の旅行保険が掛けられたから、亭主が75歳まではリュックサックを背負ってボルネオやベトナム、カンボジア、ニュ-ジーランドまでバックパックの自由な旅を楽しんだものだ。歳とともに保険料も上がるのは仕方ないにしても,既往病歴が多いと保険会社もうんと言わなくなる。今年82歳の亭主は多くの病歴で5-6種類の薬を飲んでいる。
フランスのピレニー山脈のふもとからアンドラの山へ登ってゆく。朝は霧か雲が立ち込めていて太陽が丸く小さくカスミの間に見えていたが、霧がはれ青空が急に広がって、昨日までの雨がうそみたい。
まだフランス側のスパーマーケットでショッピングしトイレを借りた亭主が、血尿が出たと心配している。実際に見てない私は大したことがないだろう、水を沢山飲んで洗い流すようにしたらと元気づけ、本人も気を取り直してアンドラまでの紅葉に彩られた山道を登って行った。