マザロンのキャンプサイトで2泊した後、マラガ(Malaga)だけはまだ行っていない。マラガの周辺や町の中にキャンプサイトがなく、マラガの東50kmのトロックス(Torrox)のキャンプサイト エル・ピノにカーナビをセットした。
そこまで380km、カーナビは海岸の道路を選ばず、グラナダまでまっすぐ西へ向かう。
この道A91は高速道路ではないが上下2車線づつの非常に良い道路で昨年もここを通ってオリベラ(Olivera)へ行った。
道路の両側は休眠中のアーモンドの畑が延々と続く。来年春2-3月はこの辺り一面ピンクになるのだろう。
濃い緑の葉菜はいったい何を植えているのだろうか遠くからでは判らないが、野菜によって周囲の景色まで変わってしまう。遠近の山々はほとんど岩山で、途中に真っ白の大理石を切り出している採掘場があった。まるでチーズを切るみたいにまっすぐに切れる石は面白い。
グラナダに近づくにつれて前方に見えてきたのが真っ白に雪をかぶったネバダ山脈でここがスペインでは最南端のスキー場があるという。10年前海岸線からグラナダへ北上したときに通った道を今回は南下する。グラナダは山に囲まれた盆地で冬は非常に寒くなる。
グラナダから南下する時にもすり鉢の底から山へ登ってゆく、まだグラナダが見える丘の頂上にあるキャンプ場とその地域はその名をサスピロ・デ・モーロ(モーロ人の溜息)という。
グラナダを築いたムーア人がキリスト教徒に追われ、この丘でグラナダを忍んで深いため息をついた由来によるもの。
懐かしいねーと話しながら通り過ぎた道路わきに自動車の墓地があった。こんなに積み重ねられた多くの車を見たことがない。
海岸線は地中海独特の真っ白な町が連なる。これなど海岸のビルは堤防のようだと思った。
地中海岸近くになると岡や山の上まで整然と植えられた木が多くなってくる。確かここではカスタードプランツが実るからその木だとばかり思っていたがキャンプサイト・エル・ピノでこれらがアボカドの林だと分かった。
キャンプサイトも段々畑のテラス状であちこちにアボカドの木が茂っている。そしてまだグリーンの堅そうなアボカドが鈴なりだった。このアボカドはまだまだ収穫には早いと思っていたのに1週間後そのキャンプサイトにe-mailを送って収穫時期を問い合わせたところ、つい2-3日前に採り終った。との返事が来た。
木で熟れた果物ほどおいしいものはないが、これがビジネスになるとそうも言っておれないのかもしれない。堅い間に収穫して出荷し、日にちが経ってやっと柔らかく食べごろになるのだろう。でもすごくがっかりしてしまった。