八ヶ岳の山頂の山小屋に泊まる事にはもうひとつの試したい事がありました。
アルプスに登る時、私にはひとつの悩みがあります。
それは高山病。
歩いている時は症状と言っても2500メートル辺りから呼吸が苦しくなるくらいで、気分が悪いとか頭痛がするといった症状はありません。
しかし、寝ると駄目なのです。
熟睡すると気分が悪くなる。
時には頭痛も伴う。
でも頭痛は稀で絶対来るのは吐き気。
それも普通は何日も登っていると治まると言いますが、何日経っても駄目。
一旦吐き気で目が覚めると朝まで続き、結局朝ごはんさえも食べられません。
これは山登りには致命的だと思います。
年齢を重ねるごとに酷くなってる気がします。
特に流行り病で一ヶ月もの間サチュレーションが92%だったので不安で呼吸法を実践しました。
腹式呼吸で酸素を沢山取り入れる様になりました。
最初はこれをやると頭がクラクラしていましたが、今では慣れてホームマウンテンでは普通に呼吸出来るようになり肺にも入り易くなりました。
これを高山で実践してどうなるか確かめたかった。
いつもは2500メートル付近から呼吸が苦しくなり頭がクラクラしますが、今回八ヶ岳では呼吸はしっかり出来ていました。
多少呼吸は早くなりましたが、意識して呼吸すれば今までより苦しいとは思いませんでした。
そして今回はGarminを着けています。
これは心拍数とSpO2が計測出来ます。
以前八ヶ岳に登った時はパルスオキシメーター持参で山小屋で座っていると80%台でした。
今回は座っていてもずっと90%台。
良い感じでした。
横になってみても90%台。
これは良いかも、と期待したのですが、、、。
夜中の爆風に目が覚めて、頭痛がする、、、。
見ると80%台迄落ちている、、、。
それでもまだ我慢出来ていたし、なんとか体制を整えてまた眠りに就きました。
朝方気持ち悪くて起きました。
見ると74%迄下がっていました。
やっぱり駄目だった、、、。
朝食もまともに食べられずの最悪のコンディションでの最悪の天候での下山。
動き出せば普通に戻りますが、何も食べれずでは体力が、、、。
今までとは違い胃か肺か分かりませんが違和感を感じます。
やはり流行り病の後遺症のせいでしょうかね〜、、、。
行者小屋からの安全地帯に入ってから、車での3時間の帰り道、ずっと音楽も流さずに考えました。
もう無理だな〜と。
楽しく無い山はいくら大好きな稜線でも歩けない。
もう2500メートル以下、いや2300メートル以下の山小屋しか泊まれない。
Garminには毎週の様に高山に泊まれば慣れると表示されるが私にはそんなに山に泊まれる環境ではない。
連休すらなかなか取れないのに、、、。
仲の良い方も同じ様に高山病に悩んでいらしたけど、毎週アルプスに登ってたら治ったと仰ってました。
きっとそれしか方法は無いのね、、、。
と、言う事で「私はアルプスの高山小屋泊まりは諦めよう!」と決めました。
仕方が無い、一人で無ければ皆さんに迷惑をかける。
日帰りでロープウェイで行ける所でも景色が良ければ楽しいし。
低山でも良い山はいくらでもある。
ずっと帰りの車の中で自分に言い聞かせていました。
やるだけの事は全てやっての結果だからね。
八ヶ岳から見えていた予定していた山はキャンセルです。
仕方がありません。
もう潔く切り替えようと、でも決めたら清々しい気持ちにもなれました。
苦しい登山はしたくありません。
マラソン大嫌いな私が良く登ってるよって今でも思いますからね。
職場に行って、真っ先に希望休を消しました。
もう何ヶ月も前から皆さんにお願いしていた休日届け。
「山だね、いいよ。是非行っておいで!」みんな快く承知してくれたのにね。
消してある希望休を見た人達が
「どうしたの? なんで行かないの?
あんなに楽しみにしていたのに。」とびっくりして言って来ました。
皆は私の山大好きは知っています。
それまでの経緯を話して、、、。
でも山は止めないよって。
折角始めた趣味だし仲良しさんも出来たし、ハイキングでも私は構わない。
ゴリゴリの登山じゃなくても良いし。
ロングトレイルも時間が出来たらいつかしてみたい。
と言う事で、前向きに進もうと思うのでした。