ののちゃんへ
今年もこの月が来ましたね。
あなたと出会ってお別れした月。
今日、卒塔婆を頼みました。
今年は人でいうと三回忌に当ります。
こんなことしか出来ないけれど、
あなたへの供養とかあちゃんの気持ちが
少しでも癒やされるようにと・・・。
桜の花が散るこの季節になると
桜の花と同じ様に潔く
逝ってしまったあなたを思い出します。
最期の別れの日。
あの日最後の力を振り絞って
一番お気に入りだった場所
ソファの背もたれの上に上って
あなたが最後に私を見つめた時
かあちゃんはハッキリと分かりましたよ。
あなたが
「もうこれでお別れだよ。」
と語った表情。
息苦しかったろうに、
溢れんばかりの
「あいしてる」
の笑顔だったね。
あの時のあなたの瞳を見た時
「あ~、これでお別れだ」
と覚悟しました。
すぐに病院へ走りましたね。
でもあなたは
楽になるからと
先生が渡してくれた
酸素チューブも拒否しました。
いつもかあちゃんは言ってましたね。
「延命は止めようね、
かあちゃんは辛いけど、
あなたが苦しむのはもっと辛いから」と
あなたはその言葉を理解していたように
酸素を拒否し
沢山貰ってきた薬も
飲むこと無く
まるで時計が止まるように
その犬生を終えましたね。
今もあなたのことを
思わない日はありません。
これからもずっとずっと一緒です。
今これを書いている時
デジタルフォトフレームから
あなたの名前を呼ぶ
私の声が聞こえてきました。
あなたの時は止まったまま。
でもかあちゃんは
進んで行かなければなりません。
辛くて寂しくて
止まりたくなる時もあるかも知れません。
その時はすぐ横で
その笑顔で
かあちゃんを
励まして下さい。
これからも
あなたと一緒だと思えば
きっときっと
また
本当に
あなたに会える日まで
頑張れると思います。