今日、地元の商工会議所の表彰式に出席した。
永年勤続30年の表彰式。
会社の会長・社長をはじめ、地元のお偉いさん、商工会議所の皆さん・・・etc.
顔なじみの方から今日初めてお会いした方まで、数多の人から〈おめでとう〉の声をかけていただいた。
〈これは別にゴールではないし、あくまでも通過点なので・・・〉
デビュー20周年とか30周年を迎えたミュージシャンが、雑誌のインタビューでそう答えているのを読んだことがある。そういった発言を眼にする度に、
〈なーーーーに、カッコつけてんだよ、素直に喜べばいいじゃんよ〉
と思ったものだが、今のワタシには、そんなミュージシャンの気持ちが少しは分かるような気がする(笑)
おめでたいと思っているのは、どちらかといえばもっぱら周囲の人々であって、当人は至って冷静というか・・・。
バタバタバタバタとした1日を365回過ごすうちに1年が過ぎ、そんな1年を30回繰り返しただけ・・・といえばよいのだろうか。
今回の表彰も、最初は頑なに固辞していた。
今までも、デザインや小説のコンクールといった表彰式には出席したことが何度かある。
しかしそれは、自分なりに〈努力した〉という自負がどこかにあったから喜んで出席したのだと思う。
だが、今回のそれは、どうもそんな感じがしない。
上述したように、単なる〈時間の経過〉のような思いがあるし、何よりも、本人が〈頑張ったなぁ〉という実感がカケラもないのだ(笑)
・・・とは言っても、ずっと働き続けてきたから、今のワタシの人生があるのも事実なわけで。
そして、平成大不況やリーマン・ショックやコロナ禍といった木っ端微塵になりそうな暴風雨に襲われても、会社が雇用し続けてくれたことも事実。
そんな別の側面を思うに連れ、ワタシの中で少しずつ心境が変わっていったのか、会社側との何度かの話し合いを経て、
〈まぁ、ワタシの表彰が、少しでも会社の宣伝になるのなら・・・〉
というスタンスで、今回の表彰式に臨んだ次第。
それにしても、30年か・・・(苦笑)😅
前の会社を逃げるように辞めて、25才で中途入社。
最初に担当した仕事は、地元の店の小さな看板のデザインだった。
広告代理店と標榜はしていても、看板制作が主体で、印刷媒体もほとんど手がけておらず、テレビやラジオCMはもちろん、企業まるごとの案件やイベント全般を手がけるなんて、夢のまた夢のような話。
インターネットもまだ存在しておらず、デザインもパソコンではなく、手描きが当たり前の時代だった。
もっともそれ以前に、ワタシ自身、なーーーんにも作れなかった(笑)
それを考えれば、遠くまで来たんだなぁ。
40代を迎えた頃だっただろうか。
デザインを生業にしているのに独立していないことを、どこか負い目に感じていた時期もあった。
でも、もう今はそんな気持ちはないかも。
自分で選んだ道だからな。
ここまで来たのなら、それを正解にしてみせる。
◆
今回、表彰式に出席するにあたって、ひとつだけこだわったことがあった。
それは、今日着て行ったスーツ。
表彰式に出席することを決めた時から、当日は〈あのスーツ〉を着て行こうと決めていた。
それは、30年前に購入したスーツ。
入社した年の晩秋(ちょうど今頃の季節)に、それなりの店に行って購入した。
試着した時に店員さんが
〈これ、ボタンが水牛の角なんですよ〉
と自慢げに言っていたので
〈あ、そうなんだ、それはイイネ〉
なんて答えたのだけど、水牛の角だろうがプラスチックだろうが、20代の若造にその違いなんて分かるわけがない(笑)
それでも分かったフリをして、半年ローンで購入した。
最近はまったく袖を通していなかったのだけど、今回久しぶりにクローゼットから引っぱり出した。
濃いグレーのシングル3つボタン。
ちょっと時代遅れの感はあるが、そんなスーツの方が、なんだかワタシらしい気がする。
オマエもまさか、30年後のこんな日に着てもらえるとは思わなかったよなぁ。
まぁ、〈水牛の角〉の良さは、相変わらずオレには分からんけれど(笑)
永年勤続30年の表彰式。
会社の会長・社長をはじめ、地元のお偉いさん、商工会議所の皆さん・・・etc.
顔なじみの方から今日初めてお会いした方まで、数多の人から〈おめでとう〉の声をかけていただいた。
〈これは別にゴールではないし、あくまでも通過点なので・・・〉
デビュー20周年とか30周年を迎えたミュージシャンが、雑誌のインタビューでそう答えているのを読んだことがある。そういった発言を眼にする度に、
〈なーーーーに、カッコつけてんだよ、素直に喜べばいいじゃんよ〉
と思ったものだが、今のワタシには、そんなミュージシャンの気持ちが少しは分かるような気がする(笑)
おめでたいと思っているのは、どちらかといえばもっぱら周囲の人々であって、当人は至って冷静というか・・・。
バタバタバタバタとした1日を365回過ごすうちに1年が過ぎ、そんな1年を30回繰り返しただけ・・・といえばよいのだろうか。
今回の表彰も、最初は頑なに固辞していた。
今までも、デザインや小説のコンクールといった表彰式には出席したことが何度かある。
しかしそれは、自分なりに〈努力した〉という自負がどこかにあったから喜んで出席したのだと思う。
だが、今回のそれは、どうもそんな感じがしない。
上述したように、単なる〈時間の経過〉のような思いがあるし、何よりも、本人が〈頑張ったなぁ〉という実感がカケラもないのだ(笑)
・・・とは言っても、ずっと働き続けてきたから、今のワタシの人生があるのも事実なわけで。
そして、平成大不況やリーマン・ショックやコロナ禍といった木っ端微塵になりそうな暴風雨に襲われても、会社が雇用し続けてくれたことも事実。
そんな別の側面を思うに連れ、ワタシの中で少しずつ心境が変わっていったのか、会社側との何度かの話し合いを経て、
〈まぁ、ワタシの表彰が、少しでも会社の宣伝になるのなら・・・〉
というスタンスで、今回の表彰式に臨んだ次第。
それにしても、30年か・・・(苦笑)😅
前の会社を逃げるように辞めて、25才で中途入社。
最初に担当した仕事は、地元の店の小さな看板のデザインだった。
広告代理店と標榜はしていても、看板制作が主体で、印刷媒体もほとんど手がけておらず、テレビやラジオCMはもちろん、企業まるごとの案件やイベント全般を手がけるなんて、夢のまた夢のような話。
インターネットもまだ存在しておらず、デザインもパソコンではなく、手描きが当たり前の時代だった。
もっともそれ以前に、ワタシ自身、なーーーんにも作れなかった(笑)
それを考えれば、遠くまで来たんだなぁ。
40代を迎えた頃だっただろうか。
デザインを生業にしているのに独立していないことを、どこか負い目に感じていた時期もあった。
でも、もう今はそんな気持ちはないかも。
自分で選んだ道だからな。
ここまで来たのなら、それを正解にしてみせる。
◆
今回、表彰式に出席するにあたって、ひとつだけこだわったことがあった。
それは、今日着て行ったスーツ。
表彰式に出席することを決めた時から、当日は〈あのスーツ〉を着て行こうと決めていた。
それは、30年前に購入したスーツ。
入社した年の晩秋(ちょうど今頃の季節)に、それなりの店に行って購入した。
試着した時に店員さんが
〈これ、ボタンが水牛の角なんですよ〉
と自慢げに言っていたので
〈あ、そうなんだ、それはイイネ〉
なんて答えたのだけど、水牛の角だろうがプラスチックだろうが、20代の若造にその違いなんて分かるわけがない(笑)
それでも分かったフリをして、半年ローンで購入した。
最近はまったく袖を通していなかったのだけど、今回久しぶりにクローゼットから引っぱり出した。
濃いグレーのシングル3つボタン。
ちょっと時代遅れの感はあるが、そんなスーツの方が、なんだかワタシらしい気がする。
オマエもまさか、30年後のこんな日に着てもらえるとは思わなかったよなぁ。
まぁ、〈水牛の角〉の良さは、相変わらずオレには分からんけれど(笑)