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ちょっと分かりにくいけど、上の写真はボクが暮らす町に先週オープンしたショッピングモールだ。
スーパーマーケットとドラッグストア、そして百均ショップと小さなクリーニング店が広い駐車場を
グルッと囲むようなカタチでオープンした。
土曜日の午後、行ってみた。
今年一番の寒波の中、駐車場はほぼ満車状態で、どの店もお客が溢れんばかりの盛況だった。
それにしても、様変わりした。
ここには、紡績工場があった。それもつい半年ほど前まで。
その工場については、このブログでも何度も取り上げたことがある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/c8/ca9bf97112e40200922cd840f02f0332.jpg)
赤いレンガ壁の古い、本当に古い紡績工場だ。
先の大戦の際には英軍捕虜の収容所にもなっていた・・・と書けば、その紡績工場の歴史的価値が
少しは分かってもらえるだろうか。
そんな工場を解体して、このショッピングモールは生まれた。
工場が解体される前、小さいながらも存続運動は起こった。
しかしそれも出来レースのようなモノだったのか、フェイドアウトするかのようにいつの間にか
消えてしまっていた。
ふと、ショッピングモールの隅に目がいった。
ドラッグストアの横、道路との境の辺りに細長いモノが建ててあった。
近づくと、それは“ここには昔、英軍捕虜を収容した紡績工場があった”という説明文と、収容されていた
英軍捕虜兵の名前を刻んだモニュメントだった。
店舗の出入口から離れ、駐車場からも死角になっていて、お客はもちろん従業員でさえも近づかないのでは
ないかと思うような僅か数坪の土地に、そのモニュメントは墓標のように建っていた。
各店舗を覗いてみた。
全国の例に漏れず少子高齢化が進む田舎のこの町で、いったい誰がこれだけのモノを買うのだろう?と思うほど、
スーパーマーケットはもちろんのこと、百均ショップもドラッグストアも、ありとあらゆる物が陳列されていた。
お客のクルマは、引っ切りなしに駐車場への出入りを繰り返している。
店頭では、店員が客の呼び込みの声を上げている。
その声に誘われるように、大勢の客が店内に飲み込まれてゆく。
ショッピングモールが出来たおかげで、この町はかなり便利なることだろう。
生活が一変するかもしれない。
でもその代わりに、とんでもなく大切だったモノを、この町は失ってしまった気もする。